ライトゲームでは大型襲来が本当によくある。私自身、確かチヌを二回目くらいに釣ったのは、メバリングのアクシデントではなかったかと思う。サーフならマゴチ、その他シーバス連発など、大型襲来には「タモを持っておいてよかった」と思うことしきりだ。しかしメバリングではタモがマストなのだろうか?今回は、ふたつの観点から考えてみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
大型ゲスト襲来の可能性
メバリングにおいて、すべての釣り場でタモが必要だとは思わない。筆者の場合、大型ゲスト襲来の可能性がどれくらいか、という点から考える。たとえば関西では大阪南港、神戸の湾奥の釣り場などがそうだ。チヌ、シーバスの魚影が濃いので、大体この釣り場ではタモは持っておきたい。
ただ、それでも「欠かせない」とまでは言えない気がする。どうしても取りたい人ならばともかく、この種の魚を何尾か釣っていると、「まあ別に今回はランディングまでしなくてもいいや」と思うこともあるからだ。ジグヘッドやルアーが帰ってきてくれて、魚が傷つかなければいい。その程度の気持ちならば、タモはいらないかな、という感じだ。
シーバス・チヌは10%くらい
筆者の感じ方として、シーバス、チヌがメバリングのゲストとしてやってくるのは、毎釣行10%くらいではないかと思っている。私の直近の釣行10回では、まあ、事実1回チヌの30cm級がきているわけだが、本当にそんなものだ。
ちなみにこのとき、ラインシステムはエステル0.25号。抜き上げまでできたわけだが、ラインウェイトが実質500gくらいだとしたら、わりとギリギリだったと思う。
ビッグサイズの自重とラインウェイト
さて、大型ゲスト襲来の次は、「大型本命」の可能性からタモの要・不要を考えたい。
メバルは抱卵した状態だと、25cm級と、まあ大型と言えるサイズでもなかなか重い。私は一度、PEライン0.3号、ラインウェイト6lbでも切っている。おそらくあれはリーダーのノットブレイクだっただろう。抜き上げ時に空中でプラプラさせてしまったので、余計にかかった重みで切ってしまったのだ。いくらなんでも抱卵個体で6lb(約2.5kg)を超えるメバルがいるとは……考えにくい。
あまり難しいところがない足場で、最大限の保険としてPEライン0.4号に5lbのリーダーをシステムノットで組んでいれば、よほどラインが傷んでいない限り切れることはないだろう。ただ、まさか35cm級の抱卵個体がくれば、水中でのやり取り含め、保障できないところがある。根潜りされたときの対処など、多くのアングラーにとってはほぼ未知の世界だろうし……。
最大級タケノコメバルの自重
一度35cmくらいのタケノコメバルを釣って、自重を測ってみたことがある。
450g。おそらくこれくらいが、尺メバルのアベレージウェイトともなるのではないだろうか。足場が2m以内、PEライン0.3号ならば抱卵していても抜き上げられる。エステルライン0.3号ならば(確かこのタケノコを釣ったのは、足場4mの高さで、エステルだ)、まあ、ギリギリというところか。PEならば抜き上げられるが、エステルで釣った場合には、タモが必要かもしれない。特にアジングロッドでは竿が曲がりきってしまうだろうし、やはりタモ入れだ。
PE運用でも抜き上げ要注意
アジ・メバルを主な狙いとした釣りでは、「抜き上げ」も釣り人に要されるテクニックである。魚の重さを感じながら、ドラグを適度な設定に入れて、ずりあげてくるように抜き上げるのが、特にアジングではもっともバラしにくい。
メバルはむしろビッグサイズになるほど、いっぺんにワッと抜き上げてしまった方がいいかもしれないが、空中で暴れられたときにハリが外れてしまうリスクが高いので、そのへんも自分のタックルでのうまいやり方を身につけたいものだ。抜き上げ術をマスターすれば、「タモが必要かどうか」という疑問は、考えなくてもよいことになるかもしれない。
<井上海生/TSURINEWSライター>