市販されるサーモンは養殖は主流 なぜ「イクラ」は養殖されないのか?

市販されるサーモンは養殖は主流 なぜ「イクラ」は養殖されないのか?

数年来続くサケの不漁の影響で高騰著しいイクラ。「サーモン」の養殖が一般化する中、その卵であるイクラの養殖は行われることはないのでしょうか。

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イクラは養殖されないの?

さて、ここまでサーモンが養殖魚としてポピュラーなものとなると、自然と思いつくのは「イクラも養殖できるのでは?」ということ。イクラはサケ(サーモン)の卵なのだから、サーモンを養殖していれば自然とイクラも得られるのではと考えるのは自然なことでしょう。

サーモンと比べ割高感の強いイクラも、養殖すれば値下げできるのではという気がするのですが……しかし実際はそんな簡単な話ではないようです。

上記のトラウトサーモン、アトランティックサーモンそしてギンザケはいずれも、その卵をイクラ(的なもの)に加工できるのですが、これらの魚は卵巣や精巣を持つと、身が大きくやせ細ってしまうのです。

市販されるサーモンは養殖は主流 なぜ「イクラ」は養殖されないのか?イクラをとるか身をとるか(提供:PhotoAC)

日本のサケを食べて「脂がのっていないな」と思ったことがある人もいると思いますが、実はこれも産卵個体であるため。産卵に絡まないサケは「時鮭」と言われて非常に脂がのり、普通のサケより高値となります。

さらに、イクラを採るための個体は、身を食べるものより長く育てないといけないため、余計なコストがかかってしまいます。これらの理由から身とイクラのどちらをも養殖するというのは難しいのです。

ただ、現在日本へサーモンを大量に輸出しているノルウェーでは、日本のイクラ需要の高さに目を向け、イクラ用のサーモン養殖にも乗り出しているといいます。現在のようなサケの不漁とそれによるイクラの高騰が続けば、イクラも養殖物が主流となっていくかもしれません。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>