リールの入れ替え時期はいつか?以前、とある"家電芸人"が、「買いたいときが、買い替えどき」と言っていたが、それもそうかもしれない。しかし釣り具はもう少し具体的に「ここ」というタイミングがある。時期を間違えば損をするので、注意したい。あくまで筆者の釣りのライトゲーム目線ではあるが、リールの入れ替え時期を解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
入門機はエントリーモデル
これから釣りを始めようという方は、エントリーモデルを選ぼう。今のエントリーモデルは1万円台でもかなり性能がいいので、無茶をしなければ恒久的に使うこともできる。これはある程度経験を積んだ1年目、2年目のアングラーでもそうで、筆者としては、特に最近はエントリーモデルとの差がほとんど自重くらいしかないミドルクラスには、用がないように思う。
条件としては、ハンドルが埋め込み式で、ラインローラーのカスタムができることだ。ラインローラーにベアリングを追加できると、ミドルクラスと遜色しないリールになる。
入れ替えはいきなりハイエンド推奨
さて、入れ替えについてだ。筆者の考えとして、ミドルクラスはすっ飛ばしたい。リールはじょじょにステップアップさせるより、いきなりハイエンドにした方がいい。目安としては5万円台のものだ。
「高い!」と思うかもしれないが、エントリー機種1万円、ミドル機種1万7000円、ミドルハイ機種3万円という買い替えの順路でいくと、合計5万円くらいの出費となる。それならば、いきなりハイエンドを持った方がいい。変な話、ミドルハイをどれだけ丁寧に使っても、磨いても、ハイエンドにはならないのだ。機能面には歴然たる差がある。
ハイエンドで何が違うかと言って、ギアと、ドラグ性能だ。ギアは巻き心地、巻きの軽さと剛性に直結するもので、エントリー機種とハイエンドではまったく違う。3万円と、10万円クラスの自転車のギアの差だと考えてみればいい(実際、確かS社はもともと自転車のギア屋である)。ギアが精緻に切られるほど巻きは滑らかになり、リトリーブ中の潮流の変化や魚のバイトがわかりやすくなる。
ドラグ性能も、ハイエンドになると明確にかわる。簡単にいうと、バラシにくくなる。ただドラグの出し方はメーカーのシークレット・オブ・シークレットなので、どのような理由でこれほど精度の差が出るのかは、知るべくもない。おそらく、シャフトとベアリングの差では材質の差ないかと思うのだが。というのも、エントリークラス向けの後付けベアリングには商品の展開があるが、ミドルハイ以上になると、ほとんど後付けベアリングがないのだ。
新機種サイクルについて
一般にリールメーカーは足並み揃えて更新機種を出す。そのサイクルもほとんど決まっていて同時、4年だ。4年サイクルで更新機種が出てくる。汎用リールの作り直し、リリースは何か事情がない限り4年なので、たとえば2022年の今、2019年のモデルを買うのは「もうちょい待とう」という話である(むろん例外もある)。
そして本年2022年には多くの機種のリリースが進んだので、次の更新は2026年と思われる。ちなみにリリースの時期は、春と秋のどちらかだ。釣具屋さんも前情報を持っていない上、メーカーもリークしないので、プロが配信動画などで使っている「見たことのないリール」か、ネットの情報が頼りになる。
更新サイクルまでの時期に、手持ちのモデルを使い倒して、手痛い失敗もして、傷もたくさんつけて、「次買う機種は命を込めて大事にする」という気持ちを持てば、ハイエンドを買っても必ず元がとれる。
サブリールを持っておくのも良し
使い古したリールは、サブに回してもいい。車の中に置いておけば、バックアップとして使える。貸しタックルとしてもいいので、はした金で売るよりは手元に置いておこう。
<井上海生/TSURINEWSライター>