連日のタチウオ2ケタ釣果の情報に期待感を持って、10月15日の午後岸和田沖一文字に釣行した。が、前日までの高活性が一転して苦戦を強いられ、辛うじてタチウオ1匹を拾うのが精一杯の結果に終わった。回遊魚は水物、コンディション次第と改めて感じた釣りの模様をお届けする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
夕暮れから引き釣りに
夕暮れ後は、メインのタチウオテンヤの引き釣りに転じた。タックルは今年新調した8.7ftのロックフィッシュ用ロッドにスピニングリールの組み合わせだが、私にとっては2.7mのハードタイプのルアー竿にミチイト4号、ワイヤーリーダー介してのSサイズのタチウオテンヤの組み合わせといった認識だ。
夜行性のタチウオの視覚にアピールするように、ワイヤーリーダーの少し上にケミホタルブルーの75をセットし、さらに私のオリジナルの部分として、遠投するために蛍光塗料が塗られているナス型オモリ2号を足している。
テンヤに巻き付けるエサは定番のドジョウも用意してはいたが、最終的には冷凍イワシを選択。エサ持ちは悪いがタチウオがアタックしくる確率が高いのは、私のこれまでの釣行で経験済みだ。ワイヤーで巻き付ける時は、尾の部分を余らせて付けることがポイントだ。
強い北風と激渋の状況
私も周りのルアーマン達も沖向きにキャストを繰り返すが、強い北風に加え、日が完全に暮れてもタチウオの群れは到来せず、激渋の状況。前日までの二桁釣果などは絶望的で、タチウオの顔が見られるか否かの苦戦を余儀なくされた。
電気ウキ釣りは強風と潮流に阻まれ成り立たず、特に親子連れをはじめ内向きの釣り人たちは、仕掛けが推し戻されてノーチャンスの気の毒な状態になってしまった。といって同情できるほど私とて余裕はなく、見渡す限り誰一人釣れていないつらい時間が続く。
19時前に辛うじて1匹を捕獲
18時30分ごろ、突然「釣れたん?ええっ?」とジュニアの可愛い声が聞こえてきた。視線を向けると、お父さんのワインドロッドの下で、闇夜に輝くケミホタルがうねっていた。慣れたロッドさばきでステンレスの煌めきを放つタチウオの抜き上げに成功すると、ジュニアの声は「やったー!」と歓声に変わる。ようやく1匹目の釣果が出たと、周りの釣り人達も活気づく。次に聞こえてきたのは「やったやん!」「よかったあー」とワインド二人組の歓声。
焦りが募った私にも19時前、ついに待望の時が訪れた。上層から中層を繰り返し引き続けてきたところ、突然ガツンという感触が竿先から伝わってきた。この瞬間を逃さずに大きく煽るとフッキングに成功。新調したロッドの使い心地よろしく、主導権をこちらの手の内に握り続けて難なく抜き上げに成功。指3本サイズではあったが、激渋の状況下で辛うじて拾えた釣果には「よかったあー」との思いが上回った。
最終釣果
その後もキャストを続けたが、先程可愛い歓声をあげたジュニアのお父さんが更に2匹、ワインド二人組が更に1匹を手にしたが、私は追釣はならずタチウオ1匹、小魚多数の悔しい釣果に終わり納竿。20時30分の最終迎え便で波止を後にした。
全体的に釣果は芳しくなく、船内の釣り人の多くは表情が冴えなかった。ホームページでもタチウオの竿頭は8匹止まりだったが、そんな中で良型のアコウを仕留めた人や、日中のうちに青物を仕留めた釣り人がいて、腕前の差を実感させられた。夜遅くまで送客オペレーションに力を注いでくれた岸和田渡船のスタッフ達に感謝しながら帰路につき、自宅に帰ると遅めの夕食のお惣菜となった釣果を噛み締めた。
翌日は2ケタ釣果続出!
岸和田一文字と岸和田渡船の名誉のために、後日談を書かせていただくと、私が釣行した翌日の10月16日は、釣果情報によると一転して、15匹、13匹、13匹、10匹とタチウオの2ケタ釣果が続出!自力で9匹釣ったジュニアもいたとのこと。皆さんの腕前のよさもあっての好釣果なのは間違いないが、回遊魚は水物、コンディション次第で釣果は大きくかわるということもまた事実であろう。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>