秋に最盛期を迎える堤防のサビキ釣りでは、定番のアジやイワシのほか、ときに予期せぬ大物ゲストがヒットすることも。もし想定外の大物がヒットしたらどう対処すればいいのでしょう。サビキで大物が狙える房総半島の釣り場紹介とあわあせて解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター菊池英則)
千葉県勝浦漁港
翌週は同じ千葉県の外房地区の勝浦漁港を探ることに。JR内房線の勝浦駅から徒歩5分程度とアクセスが抜群なうえ、特急停車駅なので首都圏からのプチ遠征にうってつけです。
16時以降が釣り可能
外房地区では、多くの漁港で釣り人の駐車違反やゴミ問題などから釣りが禁止されています。勝浦漁港も例外ではなく、釣りが可能な時間は夕方4時以降のみと制限されています。
カツオの水揚げで有名な勝浦は、大型船も入るため水深が深く、広大な港となっています。立ち入り禁止区域を除いて約半分くらいが釣り人に開放されています。アジが回遊するほか、カンパチの幼魚「ショゴ」など青物でも有名です。
サビキにヒラメがヒット
館山釣行の翌週、JR外房線で午後4時過ぎに勝浦漁港に到着。比較的すいていましたが、先釣者のコマセの煙幕をのぞいて見るとメジナやシマダイなどが集まっていて、魚影の濃さを感じます。テンションの上がったところで竿を出してサビキ仕掛けのまわりにコマセの煙幕を出します。
しかし、魚は集まってきましたが、連日釣り人に攻められているのか、なかなかサビキハリに食いつきません。午後6時過ぎまでノーヒット。このまま帰ろうかと思いましたが、「見える魚は釣れない」という格言を思い出して、再びコマセをカゴに詰め、竿の届くギリギリの沖合いに投入し、底付近でコマセをまく感覚でユサユサします。
すると、突然「グイグイ」と竿をひったくるようなアタリ!なんとかリールのドラグでこらえて巻いて、そのまま抜きあげました。よく見ると外房名物のヒラメでガッチリとサビキをくわえています。ヒラメはフィッシュイーターのはずで、なぜサビキバリに?これは嬉しいゲストでしたが、外房地区では30cm以下のヒラメはリリースすることになっているため、写真撮影した後、海に帰ってもらいました。
その後、太陽が落ちて暗くなりましたが、同じ仕掛けで、常夜灯のまわりを探ってアジを4尾キャッチできました。
大物とのやり取り
このようにアジ狙いでも不意な大型魚がヒットするケースはままあります。もし大物がヒットしたらどのようにやりとりを行えばキャッチできる確率があがるのか、最後に紹介します。
リールでやり取りしよう
まずは、グイグイと強い引きがあったら、竿を水平ていどに立ててリールを巻く態勢をとり、ドラグをフルに使ってやり取りするようにしましょう。竿を上下させるとテンションが抜けてバレやすくなります。
一定のスピードで巻き上げよう
さらに、リールを一定のスピードで巻くと、案外ラインブレイクせず、魚を寄せることができます。
周りの釣り人に助けてもらう
このように工夫しても、キャッチできない場合は、タモ網の出番になります。タモは重くて高価なため、持っていない時は、あらかじめまわりの人にあいさつしておいて、いざという時に助けてもらうのも一手です。
今回紹介した釣り場は、首都圏近郊に残された数少ないサビキ釣りができる堤防です。いつまでも楽しむためにも、駐車違反やゴミ問題、立ち入り禁止区域厳守などを心がけたいものです。その上で、いつもより気持ち大きめのサビキ仕掛けを使うと、釣りのロマンを広げる魚たちと出会えることでしょう。
<菊池英則/TSURINEWSライター>
勝浦漁港