魚の名前としては比較的有名な「アラ」ですが、標準和名が「アラ」である魚を知っている人は、漁師や流通業者以外にはあまり多くないかもしれません。
(アイキャッチ画像提供:茸本朗)
クエに劣らぬ美味
そんな気の毒なアラですが、味の方はというとクエと甲乙つけがたいほどに素晴らしいです。とくに大型のものは筋肉中にも脂が乗り、ふぐのようなしっかりとした身質の中にとろけるような舌触りを感じます。
超大型のものは価格的にも手を出しにくいですが、美味しくなり始める50cm前後のものはまだ求めやすく、大型の個体ほどではなくともその片鱗を感じることができます。
アラは筆者個人的にはこれまで食べてきた魚の中で最も美味なもののひとつで、その知名度の低さがどうにももどかしいといつも思っています。上記の柏崎市の取り組みが実を結び、その名前と美味しさが全国的なものとなればいいなと思っています。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>