【2022年】東京湾『船マゴチ釣り』入門 生態・エサ付け・釣り方を解説

【2022年】東京湾『船マゴチ釣り』入門 生態・エサ付け・釣り方を解説

浅場の大物で、最大60cm以上2kgにもなり、手軽な道具立てで楽しめるマゴチ釣り。最近ではソフトルアーでも狙う対象魚として拡がりをみせている釣り物です。ここではエサ釣りに限定して、その独特のアタリを紹介したいと思います。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部

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永井英雄

昭和36年生。船釣り歴47年。キス、カレイ、LT五目、一つテンヤマダイなど主に小物釣りを楽しんでいます。東京湾・湘南エリア・内外房エリアを主体に活動。

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船釣り エサ釣り

駆け引きが魅力

フィッシュイーターとして、ヒラメと双璧をなすマゴチ。その釣り味は、アタリがあってからの駆け引きが魅力。なかなか食い込んでくれず、釣行がストレス発散となるところが、終わってみればかえって思うように釣れなかったことがストレスになることも(笑)。

駆け引きが釣り人を魅了してやまないところに、この釣りのおもしろさがあるといえるのではないでしょうか。

マゴチのアタリ

フィッシュイーター独特の捕食による特徴的なアタリを紹します。ヒラメのように鋭い歯はなく、ヤスリのような歯でエサを捕え、あるいはつぶして、ゆっくり飲み込むことが多いとされます。

【2022年】東京湾『船マゴチ釣り』入門 生態・エサ付け・釣り方を解説良型マゴチ(提供:TSURINEWSライター永井英雄)

そして、この「ゆっくり」が曲者で、なかなかハリ掛かりせず、違和感があれば吐き出してしまうこともあり、このあたりがマゴチ釣りの難しいところではないでしょうか。

代表的なアタリ

前述の通り、マゴチは青物やハタのようなフィッシュイーターたちとはちがい一気にエサを飲み込むことはしないようで、最初に連続したコツンコツン、クンクン、クイックイッといった、「エサを噛む」と思われるアタリがあり、それから数秒から長ければ20秒以上もかけて、しだいにクイっクイっが大きく竿先に伝わるようになってきます。

それまでのクイックイッから、グゥーと竿先を持ち込まれるようなところで竿をゆっくり立てていきアワセるのがセオリーとされています。が、その「グゥー」と持ち込む前に合せてしまい、掛からないことや、「グゥー」と持ち込むことなく、クイックイッ続いている場合もあり、そうした時は少し竿先をゆすって、食い気を誘うことが必要な場合もあります。

サカナのその日の活性によってアタリの出方は違います。その違いの見極めがこの釣りの一番の難しいところではないでしょうか。

なかなか60cm超えのマゴチは釣れず、筆者56cmどまりです(涙)。50cm超えでは重さが1kgを超えるほどとなり、重量感もあります。

レアなアタリのパターン

少ないパターンながら、サカナの活性が高いときは、ガツガツガツという連続したアタリがあって、一気に食い込むラッキーなこともあります。よほどハングリーだったか、目の前にエサがきて反射的に反応したかと考えられます。

こうしたときは、躊躇せず竿をゆっくり立てていきアワセます。こうしたケースは、置き竿のときにも顕著で、魚体の小さいものより、50cm以上の大物が多いと思われます。筆者も過去シロギス釣りの端物狙いで置き竿でのヒットが何度かあり、概ね50cm以上の魚でした。

また、ルアーやテンヤ釣りの場合も、ハリが大きく小魚が遊泳する様を演出しているため、アタッたときはハリ掛かりしているようで、過去ボート釣りで獲物を上げています。そのときのテンヤ釣りのエサは、トラギス、コトヒキハゼ、シロギスなどでした。それらはメゴチより目立つ魚体なのか、反応はよかったと思います。

追いゴチ

マゴチ釣りをしていると、何度かお目にかかることができるかもしれない「追いゴチ」。釣れたマゴチを水面まで別のマゴチが追いかけてきて、タイミングが良ければ、追いゴチもタモですくってもらえることも。

過去シロギス釣りで、マゴチがキスをくわえたらしく、それに別のマゴチがついてきたことがありましたが、あいにくハリ掛かりしていなかったので、両者ともとれず。また専門の乗合船でもありましたが、このときもとれませんでした。どうやらメスにオスが追いかけてくるらしいです。

食味も大きな魅力

マゴチは白身の代表的な魚ながら、タイのように身近な店舗に並ぶことは少ないようで、高級魚のひとつとされています。それだけ食味が珍重され、料理屋へ直行することも少なくないのではないでしょうか。

釣り人の特権として、珍重されるマゴチも釣り上げれば、身近なサカナとして親しまれます(わが家でもそうです)。

刺身にすると淡泊でほんのり甘く、コリコリとした食感と歯ごたえは特徴的。「テッサナミ」とも呼ばれており、薄造りにするとフグに相当するくらい美味!夏フグの別称もあるほどです。

また、両頬の身は珍味として重宝され、塩焼きや鍋、潮汁、アラ汁などに使えます。その他にも、から揚げ、天ぷら、ソテーと、その料理のバリエーションは豊富です。

<永井英雄/TSURINEWSライター>