「ボラ」も「ナマズ」も「深海魚」も天変地異を「予言はしない」?

「ボラ」も「ナマズ」も「深海魚」も天変地異を「予言はしない」?

地震や火山噴火が発生するたびに、全国各地で「魚が異常に群れていた」「普段見かけない魚が打ち上がった」といった報告が相次ぎますが、本当に関連性はあるのでしょうか。

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正しい知識とメディアの成長

今回はボラの大群が目撃される数日前に、東北地方で最大震度6強の強い地震が発生し、千葉県内でもやや強い揺れや停電などが発生しました。そのため今回のボラの群れを「地震と関係あるのか」と考えた人がいたり、メディアがそれを取り上げるのも理解できないことではありません。

しかし、このような「地震の前触れ」と言われるような自然現象(宏観異常現象)のなかで、科学的にはっきりとした関連性が証明されているものはほとんどないようです。

「ボラ」も「ナマズ」も「深海魚」も天変地異を「予言はしない」?地震の予知は難しい(提供:PhotoAC)

むしろこういった事が言われることで「あの出来事が災害と関係していたに違いない、分かっていたら避難できたのに」と事実でない思い込みで自分を責めたり、デマとして広げてしまいパニックの種になるなど、良くない影響がでるリスクが考えられます。

したがって、報道されるべきなのは「災害の前触れかもと不安がる人々の様子」ではなく「このような現象と災害の関連性は見つかっていない」という事実でしょう。少なくとも、ボラの大群を見て何かを不安がり、大騒ぎする必要は全くなく、それを煽るような記事も書かれるべきではないと思います。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>