侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【相模湾マグロ・カツオ】

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【相模湾マグロ・カツオ】

今日の問診票

相模湾マグロ・カツオ、何とか釣果を出したいのですが、今年は数回出てもアタリを出せなかったり、バラしてボウズが続きます。どうしたらボウズを逃れることができますか?

アバター画像
近藤 惣一郎

医学博士・京大卒。SOグレイスクリニック院長。脳外科・美容外科専門医。DAIWA沖釣りフィールドスタッフ。ロンリー侍ドクターとして各種メディアで活躍中。

×閉じる

船釣り エサ釣り

ドラグ緩めるべからず!

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【相模湾マグロ・カツオ】電動高速でガンガン巻き上げよう

カツオだけで無くキメジ・キハダも含めヒットした魚を逃す一つの要因に緩過ぎるドラグ設定があります。

相模湾のコマセキハダが始まった6,7年前には、魚が掛かったら無理せず糸を出す目的で、やや緩めのドラグ設定が提唱されたこともありましたが、針掛かりした瞬間やファーストランの時ドラグが緩過ぎると糸が容易に出過ぎ、ラインテンションが保てません。このことでフッキングが甘くなったり、針が飲まれ魚を逃すのです。

前述のように針結びを含めしっかりとした強度の仕掛けシステムで挑めば、ラインやハリスに傷が付いていたりやキハダに針を飲まれ無い限り、システムがブレイクして魚を逃すことはないのです。自信満々の強度システムで挑んでいれば、ドラグ設定は強めが基本です。

グッと手でラインを引きだしてギリギリ糸が出るか出ないか程度のドラグ設定で私はやっています。そのことがカンヌキ(閂)に掛かるバラシのない確実なフッキングにつながります。

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【相模湾マグロ・カツオ】とにかく強気!弱気は禁物

やり取り時の弱気禁物!

ヒットした魚がカツオであればなおさらで、糸を容易に出せば、他の釣り人とのオマツリが必発です。

引き込み具合、重量感でカツオと判断した場合は更にドラグを締め込んで電動高速でガンガン巻き上げましょう。弱気は禁物です。

良型キメジ、キハダがヒットした時は、一度は確実にロッドをシャクって閂にフッキングさせるべくアワセを入れます。ただ先述の喰い上げのアタリの場合は素早く糸フケを巻き取ってラインが張った段階で確実にアワセを入れなければなりません。

魚がどんどん糸を引っ張り走る場合は慌てず走らせます。50〜150mとその時の魚によってこのファーストランの距離は違ってきますがファーストランが短いから小さい魚とは限りません。

ファーストランが止まった段階で、ドラグを少し締めて様子を観ます。更に走る場合は無理せず糸を出します。魚が弱ると糸の出が止まり回旋運動に入ります。これが攻守交代のタイミングです。徐々にドラグを締め込みつつ、手巻きなら巻き上げポンピング動作、電動なら中速程度でラインテンションを一定に保ち巻き上げて行きます。

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【相模湾マグロ・カツオ】臨機応変な対応で大物ゲット!

20kgを越すキハダでもファーストランが50m位で止まるものもありますがそういう魚体に限って、まだ弱っておらず勢いよく浮き上がって泳いだり、再び潜ることがあります。

浮き上がりの時は魚が付いていても糸フケが出来てあたかも魚がバレたように感じる場合がありますが、この時こそ巻き上げスピードを上げてどんどん糸フケを取らないと本当に針が外れ逃してしまいます。現場で良く起こるバラシのパターンです。

再び潜って走り出す場合でも弱気になってドラグを緩めるのはバラシの原因になります。同じドラグ設定で止まるまで走らせ、止まったら再び攻守交代で引き寄せるのです

中乗りさんや船長が駆け寄って現場でもアドバイスをしてくれることがほとんどですし、アタリの出方、その後の魚の動きも実際は様々です。ですから臨機応変な対応が求められますが、私はここに記したことを基本にキハダとやりとりしてきました。

次ページで今回のまとめ