伊藤さとしのプライムフィッシング【チョウチンウドンセット:第2回】

伊藤さとしのプライムフィッシング【チョウチンウドンセット:第2回】

伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「チョウチンウドンセット」。今回はいわゆる冬のバラケブレンドの定番パターンから、少し横道にそれた話。『ペレ道』についてだ。

(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)

アバター画像 TSURINEWS編集部

淡水の釣り ヘラブナ釣り

「ペレ道」を使ってみよう

今の時期、釣り座に入ると真っ先にやることと言えば『粒戦』系の水溶き。メジャーどころとしては『粒戦』『粒戦細粒』そして『とろスイミー』だろう。ところが今回の実釣時に、伊藤が手にしていたのは『とろスイミー』ではなく『ペレ道』だった。

『とろスイミー』ではダメなのですか?

伊藤 さとし

「ダメとかじゃく、抜きバラケ前提なら『ペレ道』のほうが指先に合う人もいると思ってね。以前から試してるんだけど、こっちのほうが『とろスイミー』と比べて、ネバリが出づらくて抜きやすいと感じる人もいると思うよ。それと集魚性かな。同じペレット系でも『粒戦』とはまるで異なるバラケ方をするし、それでいてペレット系の集魚力を使える」

 

なるほど。『とろスイミー』はネバるんですね?

伊藤 さとし

「とくに時間が経つとね。だけど『粒戦』の量を多く使う人には、ネバリがあったほうがハリ付けの際にまとめやすい。だから要はどれだけ『粒戦』を使うかで、ネバリ(まとめ役)の比率を変えればいい」

 

伊藤さとしのプライムフィッシング【チョウチンウドンセット:第2回】バラケにも通用するエサだ(提供:週刊へらニュース伊藤さとし)

今回、伊藤さんは『粒戦』と『粒戦細粒』がそれぞれ50㏄ずつでした。通常よりも少ないなぁと、記者も感じていました。

伊藤 さとし

「『粒戦』というエサは、入れれば入れるほど開くようになる(エサが崩壊しやすくなる)けど、同時にハリ付けもしづらくなり、しいては振り込みづらいエサになる。でも粒の量が少ない比率のバラケであれば、それほどネバリは必要なくなるよね」

 

なるほど。たしかに道理ですね。『粒戦』の量が少なめなのだから、『とろスイミー』を使うまでもない。だけど重さは欲しい。ゆえに『ペレ道』なのですね?

伊藤 さとし

「まあ理屈としてはそうなんだけど、たんに『とろスイミー』に代わるものが、何か一つくらいあってもいいんじゃないかって発想もあるよね」

 

なるほど。それは名案です。正直「『粒戦』・『粒戦細粒』・『とろスイミー』」の組み合わせは、聞き飽きた感がありますし。

伊藤 さとし

「もちろん、いいエサなんだよ。三種の神器と呼ばれるくらい、広く愛されるブレンドに成長したしね。でも抜きバラケ、『粒戦』の量が少なめ。この2点が条件なら、『ペレ道』という選択肢を試してみて欲しいね」

 

魚を宙層に集める

では聞きますが、なぜ『粒戦』の量を少なめにしたのですか?それがそもそも、この話の起点ですから。

伊藤 さとし

「(魚の)下ずりかな。前回は段差の底釣りだったけど、今回はチョウチンがテーマだから何でもかんでも下にバラけさせればいい、では済まされないからね」

 

なるほど。下ずりですかぁ。

伊藤 さとし

「そうでなくともこの時期の管理池は段差の底釣り一辺倒になりがちで、魚も下方向への意識ばかりになる。その魚を宙層にとどめておくには、重さばかりでは無理な話だからね」

 

伊藤さとしのプライムフィッシング【チョウチンウドンセット:第2回】性質表(作図:週刊へらニュース伊藤さとし)

たしかに『粒戦』はどうあがこうと、下に行ってしまいますからね。

伊藤 さとし

「下方向にバラけることが悪いのではなく、そのスピードが重要なんだよ。『ペレ道』だって他の麸系エサに比べたら重い部類だけど、『粒戦』や『とろスイミー』に比べれば軽いほうだからね」

 

なるほど。麸系エサが持つ軽さを使って、魚を宙層に集める。そういうことですね?

伊藤 さとし

「あとは粒子かな。『とろスイミー』と比較して、『ペレ道』のほうが粒子が細かい。それを利用してみる手はあるかなってことだよね。ただし、この時期に多用する抜きバラケは、人によって合うタッチと合わないタッチがある。つまりはハリ付けや振り込みの話になるんだけど、それに合わないのなら何も『ペレ道』を無理して使うことはない。それなら今までどおり、”三種の神器”でやってもらったほうが、よほど釣れるエサになるはずだからね」

 

次回も「チョウチンウドンセット」です。

<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>

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武蔵の池
この記事は『週刊へらニュース』2022年2月11日号に掲載された記事を再編集したものになります。