伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「チョウチンウドンセット」。気象変動にもっとも強いとされ、型もそろいやすいのがこの釣りの魅力。冬は段差の底釣りオンリーになりがちな季節だが、これをマスターすれば鬼に金棒だろう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
武蔵の池で実釣
初回は埼玉県さいたま市にある武蔵の池での実釣編。取材は1月18日(火)。
ド強風予報が出ていた当日、大切なのは釣り座選び。できるだけ風の影響を受けづらい釣り座を選びたい。
「64番にしよう!」
さすが彼のホーム池だけあり、即座に席を決めて入釣する伊藤。
朱紋峰・鉾9尺竿を継ぎ、ウドンセットのチョウチン釣り。タックルとエサは下図。
「あさって新ベラの追加放流なんだよね。取材日を間違えたかな(笑)。まあでも、短竿チョウチンなら桟橋下に身を隠している良型旧ベラを狙えるからね」
でも、そのぶんだけIQも高いくないですか?
「そうだね。一筋縄ではいかないよ」
竿替えでヒット継続
9尺竿で始めたが、動きがまったく出ないので開始から1時間で竿を10.5尺に替えた。
すると9時すぎ、ようやく下ハリスのあおりが現れて、タテ誘い直後のフォールで1枚目をゲット。しかしあとが続かず、たまにアタっても口周りのスレが目立つ。
「さっきはまったくウキが動かなかったから竿を替えたんだけど、どうやら時間的な問題だったようだね。タナが高いような気がするから、9尺竿に戻してみるよ」
わずか1.5尺の違いで、そんなに変わるものですか?
「何を寝言言ってるのよ。ハリスなら5cm刻みでもやるでしょ?それが竿替えなら、一気に約45cmも違うんだよ。この差は大きい。とくにウキの動きが少ない厳寒期はね」
なるほど、納得だ。9尺竿に替えると、伊藤もびっくりするほどウキの動きがよくなり、数枚をたて続けにカウント。アタリはいずれも誘い後のフォール、つまりは下ハリスの倒れ込み。よって意外にもアタリは早い。
「早いも何もバラケはほぼ抜いてるし、タテ誘いを2~3回かけたら打ち返してるから早いように感じるんだよ」
では、さらに待てばいいじゃないですか?
「それだとバラケ粒子がタナでどうなっているのか、イメージがつかめない。それにさっきから強くなりだした風のせいで、流れも強くなってきたしね」