冬に盛期を迎えるイワシ泳がせ(ノマセ)釣り。本命のヒラメ、青物やハタ類など、おいしい大物が釣れるため人気が高い。今回、このゲームのキーポイントとともに、オーナーばりの今永さんと訪れた三重県鳥羽沖での実釣の様子をレポートしたい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・五井貴矢)
ヒラメ釣りの重要4要素
実釣の話の前に、この釣りでキーポイントとなる4要素を解説したい。
活きエサの管理
エサの魚が元気に泳ぐことがアピールになるので、エサはデリケートに扱う。
イワシをつかむ際は強く握らないよう心がけ、できればバケツの中で手と魚体を海水に浸しながら、鼻に親バリを、尻ビレ(肛門の後ろのヒレ)に素早く掛けて投入する。
ちなみに変温動物の魚は、人間に素手で触られただけでもやけどをする。暖かい手でギュッと握られるとイワシは重傷を負ってしまう。
アタリとアワセ
ヒラメはアワセのタイミングを見極めるのが難しい魚だ。
活性が高ければ一発で穂先を持っていく場合もあるが、ほとんどの場合、早アワセは禁物だ。
アワセの適期は、ピクピクしていた穂先がググーッと持っていかれてからひと呼吸置いた瞬間。見極めに自信がなければ、「そーっ」とサオを立てて様子をうかがう「聞きアワセ」で対処する。この過程で相手がググッと反撃してきたら、ここでアワせよう。
アワセ不足に注意
ヒラメのアゴの骨は硬くてごつい。このため、しっかりアワせないとハリ先がカエシまで貫通しない。「聞きアワセ」で掛けた場合は、このような状態になりやすいので注意。
アワセはサオの胴で鋭く短く行う。度が過ぎる大アワセは、口切れやハリス切れに繋がるので避けよう。
また、仕掛けの構造上孫バリにはアワセの力が伝わりにくいので、廉価品で満足せず、鋭く強度のある孫バリを使うこと。
リーダー(先イト)の意味
PEのミチイトの先に結ぶリーダー(先イト)は、船のエサ釣りではなじみのない人も多いだろう。絶対必要なものではないが、付けるメリットは大きい。
PEラインは擦れに弱く、張りがないため穂先や仕掛けと絡みやすいが、リーダーはこの弱点をカバーしてくれる。具体的なメリットは……
・ミチイトが船底や岩礁と擦れて切れるリスクが低下する
・ミチイトが穂先や仕掛けと絡みにくくなり、オマツリも重症化しにくい
・透明のイトが仕掛けの直上にくるので、魚に警戒心を持たれにくい
ザブトンビラメやブリを相手にした場合、最後の抵抗でミチイトが船底と接触して切られてしまうことがある。100%防げるわけではないが、リーダーがあればPE直結より防御力がかなりアップする。ハリスが5~8号、ミチイトがPEライン2~3号なら、リーダーはフロロの8~14号が適合。長さは2~3mあれば必要を満たす。
いずれも基本的なことだが、これらをきっちり行えば釣果はアップするだろう。
ヒラメ釣りのメッカ伊勢湾の鳥羽沖へ
鳥羽沖を訪れたのは12月7日、乗船したのは三重県鳥羽市の国崎漁港から出船している勝丸。今季の伊勢湾各港の遊漁船では、エサのイワシの調達難が生じているが、12月上旬の時点で国崎ではイワシが確保されており、年内分はまかなえる見込みとのことだ。
出船後、伊勢湾内の水深20~30mの浅場でスタートとなった。
伊勢湾ではヒラメ、青物とも水温が高いうちは各所に分散している。水温低下とともにベイトが伊良湖水道周辺に集まるため、ヒラメも青物も水道周辺の50~100mでよく釣れるようになる。
投入開始
今永さんは、エサのイワシを素早くセットし投入。オモリは60号、仕掛けはオーナーばりから1月発売予定の「ヒラメ剛力 フォース/L」。この仕掛けは、M、L、LLの3タイプがあり、ハリスは7~12号、ミキイトは8~14号となる。
特徴として、バラシに強いフトコロ形状で掛かりに優れる4本バリ「ストロングフォース」を孫バリとし、ミキイトは長く2m。ミキイトにリーダーとしての機能を持たせてある。
このほか、オマツリ時に自身の仕掛けが分かりやすいよう、イワシを留めるためのハリの夜光玉は、ブルーの夜光玉としている。(※一般的に緑が多い)