ここ数年安定した人気を誇るタイラバ。本来はマダイを狙うためのメソッドだが、実はさまざまな魚種が釣れるのは周知の事実。だったらマダイにこだわらなきゃいいんじゃない?ということで今回のテーマはタイラバ五目だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
基本的な釣り方
タイラバの釣り方はいたってシンプルだ。底まで落として巻くだけ。だがその中でもいくつかのキモがある。
まず確実に底を取れる重さのシンカーを使うこと。底が取れなければ、確実に攻めたいレンジ(層)を攻めることができない。
次に巻くスピード。その日その日に合ったヒットスピードというものが確実に存在する。特にマダイなどは、その傾向が顕著に出る。自分の中で巻きスピードを何段階かに分け、順番に試してヒットスピードを探っていく。
また同船者で特出してヒットを重ねている人がいれば、その人の巻きスピードをまねてみるのもいいだろう。
ターゲット別攻略法
ターゲット別にそれぞれ攻略法が存在するわけではない。しいて言えばどのレンジまでタイラバを巻き上げるか、どれぐらいのスピードで巻くかで、ある程度ヒットさせるターゲットを釣り分けることができる。
マダイ
マダイであれば、水深の3分の1~半分ぐらいまで。イワシなど小魚を捕食している場合は、かなり上まで巻いてくる必要がある。これはその都度船長に聞けば、適切なアドバイスをもらえるはずだ。
青物
青物が回っているのであれば、上層までかなり速いスピードで巻いてみよう。通常のジギングタックルに比べて、かなりライトな道具立てなのでヒット後のファイトは慎重に。
ハタ類
ハタ類は根魚にカテゴライズされているが、ヤル気のある個体はベイトを追ってかなり上まで浮く。キジハタやマハタの実績があるポイントでは、意識して底から15mぐらいまでは探っていきたい。
アマダイ
大人気のアマダイは砂泥底に生息しており、普段は砂に身をうずめて通りかかるエサを捕食している。つまりタイやハタ、青物のように積極的にエサを追い回すことが少ない。
よってタイラバにヒットするタイミングは、着底から3巻きまで。それ以上上げると、ヒット率は極端に落ちる。いかに着底の回数を多くするかがキモになる。また同じ場所ばかり着底させていても意味がないので、5回着底させたらいったん20mほど巻き上げて、着底点を大きくずらしてやろう。ゲストにレンコダイ(キダイ)やアオハタ、イトヨリなどがよく交じる。
多彩な魚種を狙える魅力
他にもアジやサバなどの小型回遊魚や、深場の根周りなればオニカサゴ、ウッカリカサゴなどもヒットする。何がヒットしてもおかしくないのが、タイラバの魅力なのだ。
ここで1つ注意点。どの魚種にもいえることだが、ライトな道具立ての上、使用するハリもジギングに比べてはるかに小さい。そのため事前のドラグ設定が極めて重要になる。手でラインを持って強めに引っ張ればラインがスムーズに出るぐらいが目安だ。明確な数値でいえば、800g~1kgぐらいが適切なドラグ設定数値だ。
オモリにネクタイ、ハリだけのシンプルな漁具ルアーに、極めてライトなタックルを使用するタイラバ。ただ巻くだけなのだが、そこに詰まった魅力は計り知れない。周年楽しめる釣りではあるが、より多くの魚種に出会えるのが秋から冬にかけてといえる。皆さんもぜひ、この繊細かつテクニカルなタイラバに挑戦してほしい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>