伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「両グルテンの新ベラ狙い」。今回は新ベラを釣り込むのに最低限必要なことについて考えてみよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
白黒ハッキリ大胆に
旧ベラに比べて、新ベラのほうが活性が高い。この習性を利用して釣りを組み立てたらどうか、というのが前回でした。ではそれでエサを打ち始めたとして、以降の注意点などはありますか?
「(新ベラが)釣れてくるかどうかだね。新ベラ狙いは白黒がハッキリした釣り方だから、釣れなければ次のステップは大胆に変更する」
大胆とは?
「たとえば、竿18尺チョウチンでアタらないなら竿24尺に伸ばすとか、チョウチンがダメならタナ1本半にしてみるとか。それでもダメなら、ポイント移動したほうがいい」
40cmのハリスを60cmに伸ばしたらいいという世界ではないと?
「それでアタリ数が増えても、新ベラが釣れてこなければ意味はない。だって新ベラ狙いがテーマなわけでしょ。だったら行動は”大胆”がセオリーだよ」
新ベラが群れていそうな、水深やエリアを捉える。それがすべてということですね。
「たくさん釣るなら、ってことだけどね」
数を釣り込むには
ではそのような群れを運よく捉えたとして、さらに釣り込むには、何をしたらいいでしょうか。
「エサをしっかり持たせること。もう、これに尽きる。エサが持っていれば、ダブルも多くなるしね」
そのくらいエサ持ちが悪くなるということですか?
「持つ持たないの判断は、トップのナジミ幅だよね。だからと言って5節も6節もナジませろと言っているわけじゃない。たとえ2~3節でもいいから、釣れるナジミ幅をキープする。そういうことだよ」
なるほど、たしかにそうですね。
「とにかく新ベラが寄ってくると、ウキは動きっきりになるから釣りが乱雑になりやすい。それでも釣れちゃうのが新ベラなんだけど、乱雑であっても釣れている人を見ると、しっかりとエサは持っていることが多いよね」
つまり釣れる人と、釣れない人の差ですね。
「そう。あとはあえて挙げるなら、アタリの取り方だろうね。いいアタリをアワせるのはもちろんなんだけど、いわゆる”かな”アタリにも反応できるかできないかで、大きく水を開けられることがある」
「かな」アタリを拾う
つまり止めとか微妙な食い上げ的な、変化系のアタリですね。
「とくに両グルテンの釣りで出やすいアタリなんだけど、これを取れるか取れないかで大きな差が開く。でも誤解してほしくないのは、変化系のアタリを出させるのが目的ではないってこと。いいアタリをアワせつつ、そういう動きが出るなら聞きアワセも忘れずに。そういうことだよ」
聞きアワセをして乗ってくれば、次からはそのようなアタリにも反応しやすくなるでしょうからね。となれば、ウキはムクトップ系がいいのでしょうか?
「エサが両グルテンであれば、ナジミ幅が出やすいムクトップ系ウキのほうが、エサが持っているかの判断がしやすい。両ダンゴやグルテンセットに比べれば、両グルはエサが軽くなるからね。そういった意味からすると、ムクトップ系ウキのほうが判別しやすいけど、アタリとなると個人差があるから何とも言えないなぁ。エサ持ちの判別ができてアタリも取れるなら、トップの種類は関係ないと思うよ」
次回からは「野釣りグルテンを使おう」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>