「人食い魚」とも呼ばれるピラニアは実は臆病 興奮しなければ安全?

「人食い魚」とも呼ばれるピラニアは実は臆病 興奮しなければ安全?

鋭い歯と獰猛なイメージで知られるピラニア。ときに「人食い魚」と呼ばれることもありますが、実際に人を食べるようなことはあるのでしょうか。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

ブラジルのピラニア生息地で起こった事故

ブラジル南東部、ミナス・ジェライス州ブラジランジア・デ・ミナス郊外の湖で先日、不幸な事故が発生しました。湖に飛び込んだ男性がその後、死亡しているのが見つかったのです。

30歳のその男性は、友人2人とともに釣りをしていたところ、ハチに襲われ、慌ててピラニアが群がる湖の中に飛び込んだといいます。その後、一緒に飛び込んだ友人たちは岸まで戻ったが、一人だけ水から脱出することができず、溺れてしまったのです。(『ハチに襲われ湖に飛び込んだ男性、ピラニアに食べられる』クーリエ・ジャポン 2021.11.5)

人を食べるピラニア

今回の事故に関して報道した現地の新聞によると、通報を受けた捜索隊が10月31日、岸から4mほど離れたところで男性の遺体を発見したと伝えています。そしてその遺体は、ピラニアに食べられ、耳や顔など遺体の一部は損傷していたそうです。

「人食い魚」とも呼ばれるピラニアは実は臆病 興奮しなければ安全?ピラニアの鋭い牙(提供:PhotoAC)

しかし、彼の死因がピラニアに襲われる前の溺死なのか、ピラニアの攻撃によって泳げなくなり溺れてしまったのかは不明だといいます。

ピラニアに関連する水難事故は過去にも起こっており、2015年にはブラジル北部パラ州のマイクル川で、カヌーの転覆後、6歳の女の子がピラニアの大群に囲まれて死亡していたところを発見されました。同じくパラ州ではその3年前にも、前腕の肉をピラニアに食べられた子供がその後死亡するという悲しい事故が起こっています。

ピラニアに食い殺される?

しかし実際のところ、これらの事故の被害者は「ピラニアに食い殺された」のでしょうか。

ピラニアは鋭い歯を持つ淡水魚で、外敵から身を守るため大群で行動します。そのため襲われると大きな怪我を追う可能性は十分にあります。

「人食い魚」とも呼ばれるピラニアは実は臆病 興奮しなければ安全?群れを好むピラニア(提供:PhotoAC)

しかし一方、ピラニアはとても臆病な性質をしており、特に単体でいるときは極端に臆病です。そのため自分より大きく動くものに対しては、すぐ逃げ出すことが知られています。そのため死にかけの人ならともかく、元気な人を襲って「食い殺す」ということは考えにくいといえます。

ただし、彼らは血液臭や水面を叩く音にとても敏感で、これらの要因によって群れ全体が興奮状態となると、まるで水面が盛り上がるほどの勢いで獲物に喰らい付きます。そのためすでに出血があるような状態で水中で暴れまわると、一気に襲いかかられて命が危険にさらされることはあるかもしれません。

<脇本 哲朗/サカナ研究所> 

緊急事態宣言は解除されましたが、外出については行政の最新情報を確認いただき、マスクの着用と3密を避けるよう心がけて下さい。一日も早く、全ての釣り場・船宿に釣り人の笑顔が戻ってくることを、心からお祈りしております。