今回紹介するのは船のイシダイ釣り。磯の大物釣りの代表的なターゲットだが、なかなか巡り会えない魚として有名だ。しかし、船から狙えば出会える確立はグッと高くなる。6月28日、愛知県・南知多町片名漁港から出船している直栄丸に乗り、珍しい船のイシダイ釣りを取材した。
50cm近いイシダイ登場!
しばらく30cm台のサンバソウの連打が続いたが、左舷後部に釣り座を構えていた近藤さんに、大物を予感させる大きなアタリがきた。
魚の重みが乗ったのを確認し、近藤さんが大きくアワセると、グーンとサオが胴まで曲がり込んだ。掛かった魚はそのまま底に向かって突進し、サオをさらに締め込む。ドラグを滑らせて抵抗する様子から、先ほどよりひとまわり型も良さそうだ。
近藤さんは、サオの弾力を活かして相手の体力を削ぎつつ、根に入られないよう迅速に寄せていく。しばしのファイトのあと、海面に現れたのは50cm近い文句なしのイシダイ級。潮止まりを迎え、船内に漂い始めた沈滞ムードを一蹴する会心の一匹だった。
その後、船内で35cm前後のサイズが追加されたが、相変わらず悪い風向きと、一向に落ちないウネリのせいで非常に釣りにくくなったため、時間をくり上げて沖上がりとなった。
取材の直前には同海域で60cmを超える大物も上がっていたので、後ろ髪を引かれる思いだったが、シーズンは8月いっぱいまで。チャンスはまだまだこれからと、メンバー一同、次回のリベンジを誓いサオを納めた。
道具はマダイ、青物用でOK
伊良湖沖のイシダイ釣りのタックルは、長さ2.4m前後で穂先に柔軟性があり、100号オモリがストレスなく背負える強さの船ザオが適合する(※潮が速いときは150~200号オモリを使用するので100号+余裕が必要)。
リールは中型の電動またはタナ表示付きの手巻きリールでよく、ミチイトはPEラインの3~4号を使用する。
マダイやワラサなどを対象にした、一般的な船の大物釣りの道具があれば対応できるので、ぜひ挑戦してみてはいかがだろう。
<週刊つりニュース中部版 五井貴矢/TSURINEWS編>
片名漁港