9月7日、最新のテンヤ釣りの可能性を探るべく、株式会社オーナーばりの今永さんと愛知県の伊勢湾と伊良湖沖で実釣と検証を行った。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 五井貴矢)
午後船でテンヤタチウオ実釣
では、実釣を通して釣り方を解説していく。指南役は、オーナーばりの今永さん。1000人を超すアングラーが競いあう大阪湾タチウオKINGバトル2020で3位、同2019も上位入賞の実績を持つ名手だ。
乗船したのは片名漁港の忠栄丸の午後ショート便。タチウオ釣りのほか、ウタセ五目釣りで人気の船だ。
よれない船太刀リーダーフロロ
今永さんのタックルは、9:1調子のテンヤタチウオロッドに小型電動リール。ラインはPEライン1.5号でリーダーは8号。リーダーの先にオーナーばりよれない船太刀リーダーフロロ(14号50㎝)を結んだ。同氏はこれをサキイトとして装着したが、リーダ本体としてミチイトに装着して使用する全長100cmタイプもある。
掛獲船太刀魚テンヤ
テンヤはオーナーばりの掛獲船太刀魚テンヤの40号。ほかに50、60、80号があり、カラーは全7色。引き抵抗を抑えた薄いヘッドが生み出すキレの良いアクション、ハリの軸のたわみを抑える平打ち構造で、かつ身切れを抑えた保持力に優れたフトコロ形状のハリは、先述の大会での好成績に貢献している。
テンヤタチウオの基本的な誘い
午後便のポイントは港を出てすぐ。今永さんは指示ダナの40mまでテンヤを沈め探っていく。テンヤによる基本的な誘いは以下の通り。
(1)リール半回転でサオをひとシャクリするジャークを小刻みに鋭く2回入れる
(2)シャクったら1~3秒のステイ(静止)を入れ、再びシャクリを2回、これを繰り返す
こうして指3本前後のタチウオを連打でキャッチ。この過程で、ヒットゾーンが狭いと見るや、
(3)シャクリのあと、立てたロッドをゆっくり下げ1mほどテンションフォールさせる
(1)~(3)を組み合わせ、タナを通す往路と復路で濃密にタチウオとコンタクトをとり、独壇場のペースで連発。悪コンディションのなか、およそ3時間弱の実釣で20匹ほどキャッチした。
食い損ねへの対応策
なお、食わせ損ねた相手に、再び口を使わせるフォローアクションも存在する。その方法は以下のとおり。
・リールを巻くのを3~4分の1回転に下げ、細かいピッチのシャクリに切り替える。
・アタリのあとにテンションフォールを入れる。
・シェイキング(小刻みにサオを上下させる)で相手をじらし、ピタリと止めて食いつかせる。
なお、テンヤによるタチウオ釣りで厳守してほしいのが、絶対にサオで魚を抜かないこと。他エリアでは、タチウオが空中で外れたときにテンヤが暴れ、人を直撃する事故が起きているからだ。