伊藤さとしのプライムフィッシング。伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「ヒゲトロでトロ巻きセット」。今回はバラケとブレンドパターンについて紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
トロ巻きセットは「誤飲」狙い
食わせのトロロがいかに進化しようとも、バラケが釣況にマッチしていなければ話にならない。そこで今回は上エサ(バラケ)について考えてみよう。
よくトロ巻きセットのバラケはダンゴタッチと言われます。つまりこれは、両ダンゴとほぼ同じということですか?
「いや、まったくの別物だよ。持たせ気味にしないとアタリが出にくいから、ダンゴタッチと表現されることが多いけど、中身はバラケだよ」
と言うことは上エサは食わせるようなタッチではなく、あくまで下バリのトロロを食わせるための”誘導係”ですね?
「うーん…、そこがまた微妙に違うんだな。そもそも、この釣り方は”誤飲”狙いなんだよ。バラケ粒子を食べに来た魚が、気づかないうちにトロロも一緒に吸い込んでしまう。つまり、いかに食わせのトロロを誤飲しやすいようにさせるかが、この釣りのキモとも言えるんだ」
ハリス段差は狭くする
であれば、ウドンセットとか角麸セットと考え方は同じですよね?
「そうなんだけど、最大の相違点はバラケと食わせの距離感かな」
それはつまり、ハリス段差のことですか?言われてみれば、たしかにトロ巻きセットのハリス段差幅は少ないことが多いですね。よく聞くのが8~15cmとか。
「そう、つまりは接近戦なんだ。だからバラケも、それに合ったものが求められる」
なるほど、狭いハリス段差にマッチしたバラケですか。
「そうなると大きく(広く)ではなく、コンパクトにしかも高密度にバラける上エサが必要だってイメージが湧いてくるでしょ?」
バラケのブランドは?
たしかにそうですね。ゆえに、ダンゴタッチなどと表現されることが多いのですね。であれば具体的には、どのようなバラケのブレンドでしょうか?
「さまざまなブレンドパターンがあるけど、今回は3種類を紹介しようと思う。ベースは『バラケマッハ』で、あとは狙う水深(タナ)によって相方となる銘柄を入れ替えるだけ。簡単でしょ」
・浅ダナ(メーター前後):『バラケマッハ』900cc+『BBフラッシュ』200cc+水200cc。
・短竿チョウチン:『バラケマッハ』900cc+『凄麩』200cc+水200cc。
・長竿チョウチン:『バラケマッハ』900cc+『カルネバ』200cc+水200cc。
「3パターンとも、出来上がりは硬め。それを小分けして、手水と押し練りで両ダンゴっぽいタッチにすれば、自然とトロ巻きセットに適したバラケになるよ」
練るのは最小限に
どのブレンドもエサが2種類で足りて、とても簡単そうですね。ところで、練ってはダメでなのですか?
「持たなければ練ってもいいけど、粒子をつぶしてしまうような練り方は、できれば最小限に抑えたい」
そこが両ダンゴとバラケの違いなのですね。
「そういうこと。よくトロ巻きセットなら上エサを食ってきてもOKと言うけど、それは食ってきてもいいというだけで、積極的に食わせるものじゃない。あくまで食わせたいのは下エサの『ヒゲトロ』。そこのところを勘違いしないようにね」
次回も「ヒゲトロでトロ巻きセット」です。
次回も「ヒゲトロでトロ巻きセット」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>