釣りには道具の強度や長さなどを示すいろんな単位表記がある。普段使わないので混乱するが、単位の意味することを理解すれば、釣りはもっとやりやすくなる。この機会に覚えてしまおう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
国際単位系表記について
一般にcmといえばセンチメートルでgといえばグラム、kgといえばキログラム。こういういわゆる国際単位系の表記が標準化されている。私たちは日常生活の中でそういう単位の感覚を身につけていて、たとえば釣った魚を目測するときも、「24cmくらいだな」と頭の中で思うようになっているようだ。
しかしおよそ一般に日本国民として暮らす中で、馴染みのない単位もある。たとえばinch(インチ)だ。およそ2.54cm。これは、主に工業製品をそのような単位で言う。もともとは男性の親指の幅に由来する身体尺だったそうな。それがなぜいまだcmで統一標準化されず慣例的に使われ続けているのか、いつまでも不服を言うくらいなら、まあもうこの際そういうものだと思って個別に覚えていった方がよさそうだ。
ちなみに、いわば私たちにとって身近なメートル法を使わずにヤード・ポンド法を用いている国家は、アメリカとミャンマー、リベリアくらいのものらしい。ルアーフィッシングは主にアメリカ由来なので、下記のような表記が残っているわけだ。
lb(ポンド)とは
釣りの世界では、ラインの強度表記として使われる「lb(ポンド)」。1lbおよそ453gということになる。ライン強度が5lbなら約2kgに耐える。
ラインの強度は号数で考えるのではなく、特にルアーフィッシングではlb数で把握しておいた方がいい。ショアから使う最強レベルのPEラインといえば1.2号くらいで8本編みなら25lb程度だろうか。実に約11kgの負荷に耐える。
lb数で覚えるべきというのは、リーダーとの相関関係があるからだ。システムノットを組んだときに、PEライン側で高切れせず、リーダーが戻ってくるようにするには、リーダーの強度をPEラインよりも低く設定する必要がある(ただし釣り物によってはその別もある)。すなわちPEライン1.2号25lbならば、リーダーは20lbくらいにしておくとちょうどいい。そしてリーダーの表記は大体号数でなくlbなので、lbで覚えるべきなのだ。
ft(フィート)とは
ロッドの長さの表記によく使われる「ft(フィート)」。1ftは30.48cmだ。
ソルトでは4ft台のアジングロッドから、10ft以上のショアジギングロッドまでいろいろとある。漁港周りでかわいい小魚と戯れるなら6ft程度。また漁船でジギングするときも6ft~7ftだ。ショアで8ftくらいからが大体ロングロッドといわれるような長さとなる。
inch(インチ)とは
最初にも例として紹介した「inch(インチ)」は2.54cm。ルアーの長さの単位としてよく使われる。ロッドの長さの細かい数を表すこともある。
ライトゲームメインの筆者からいえば、3inchまでがなじみ深い数字だ。ワームならば、それくらいまではもう目寸でわかる。4inchとなると10cmくらいで、大きいな、と思う。しかし当然のことだが大きいルアーに反応しやすい魚もいる。ブラックバスのビッグベイトや、タチウオやシーバス用プラグなどは、5inch以上も当たり前の世界である。
oz(オンス)とは
ヤード・ポンド法で使われる質量の単位。液体の体積や物体の重さ、力の単位としても用いられるが、釣りの世界ではoz(オンス)というと主にはルアーやシンカー(おもり)の重さを表すものだ。特にブラックバス関連ではoz表示が多い。ソルトではルアーウェイトはほぼg表記で整ってきているのだが、ブラックバスのルアーやロッドを流用することもあるので、ソルトのアングラーもozも覚えておきたい。
1ozは約28gとなる。そして、次のようなルアーウェイトがバス用のプラグで多い。
1/16oz=1.8g
1/13oz=2.2g
1/8oz=3.5g
3/16oz=5g
1/4oz=7g
5/16oz=9g
3/8oz=10.5g
7/16oz=12g
1/2oz=14g
ロッドが扱えるルアーウェイトも、ブラックバス用のロッドはoz表示が多い。それも頭に入れて、ルアーやワームをうまくアクションさせられるロッドを選ぶ必要がある。