マイカ(ケンサキイカ)ゲームでは、状況に合わせた戦術展開が必要だ。そして、戦術が変われば適したタックルも変わる。今回、テイルウォークのフィールドスタッフ松中奏詩さんの実釣を通し、戦術とタックルの使い分けについて紹介したい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部五井貴矢)
オモリグの基本操作
オモリグの操作はシンプル。着底したあと、ワンピッチジャークを3回前後入れたらロッドを水平位置に戻し、ハリスの長さ分エギが沈下するのを待つ。以上のワンセットを繰り返すのが基本の動作だ。
このとき、ジャークによって激しく動くシンカーに引かれたエギが、トリッキーなアクションを起こしマイカを引き寄せる。これを演出するためには、鋭いジャークでしっかりシンカーを跳ね上げる必要がある。ヨタヨタしたジャークでは、シンカーがもがくだけでエギは動かない。
続いてジャークを終えたところで、まずシンカーが静止、これに続いてエギも沈下を開始する。エギは、ハリスの長さ分カーブフォールしつつ、潮流にもまれて静かにスイムする。寄ったマイカがこの動きに食指を刺激され、エギを抱く仕組みだ。
オモリグのロッド
このような背景から、オモリグで使用するロッドには
・シンカーの重さに負けない強いバット
・リグの操作に必要な張りを持ったベリー
という特性が求められるのだが、単に硬いだけではイカが身切れしてしまう。
オモリグは大型狙いで使用する戦術でもあるが、重量も力もある大型は相対的に身切れのリスクが高い。そのため、ジャークのような瞬発的な動きでは張りを発揮しつつ、トルキーな荷重に対しては曲がって追従してくれるロッドが理想となる。
そんな都合のいいロッドがあるのか?と思うかもしれないが、昨今は素材や、設計技術の向上で、この特性を両立しているロッドも増えた。
今回松中さんが使っているtailwalkのMETALZON(メタルゾン)TZ S67MH/FSLも、この能力を備えたロッドで、張りと粘りを兼ね備えたカーボンフルソリッドブランクスを採用することで、これを実現している。
ちなみに、「フルソリッドブランクスは重量がかさむ」と懸念する人もいるが、このロッドはチタンフレーム、トルザイトリングのガイドを採用し、全体的な軽量化が図られている。