マイカ(ケンサキイカ)ゲームでは、状況に合わせた戦術展開が必要だ。そして、戦術が変われば適したタックルも変わる。今回、テイルウォークのフィールドスタッフ松中奏詩さんの実釣を通し、戦術とタックルの使い分けについて紹介したい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部五井貴矢)
掛けるイカメタルゲーム
ここからはマイカゲームの主力戦法、鉛スッテを使ったイカメタルのゲーム展開について書いていく。
集魚灯が点灯してしばし、中層にマイカが集まり始めたのを見計らい、松中さんは釣り方をイカメタルに変更。マイカの集まるタナを臨機応変に探っていく。
まず、ごく先調子の掛け(K)モデルのロッドMETALZON(メタルゾン)TZ C510MH-K/TISLで、集まってきたばかりの高活性なマイカを積極的に誘い、片っ端からフッキングしていく作戦にでた。
掛けモデルのロッド
掛けモデルと称されるロッドは、スッテを操作することと、鋭いアワセに瞬時に追従することに特化したモデルで、穂先周辺以外はあまり曲がらない。
だが、この特異なテーパーの威力は絶大で、アクションを入れやすく、ち密な誘いも意図通りにこなせる。アワセにおいても手首を起こした瞬間にカンナに力が伝達されるので、瞬間的なイカのタッチも反射的に掛けられる。このモデルを使いこなせるようになると、グッと釣果を伸ばすことが可能だ。
乗せるイカメタルゲーム
夜の食事タイムが始まってしばらく、どん欲にスッテやドロッパーに反応していたマイカたちも、やがて目の前の物体に警戒心を持ち慎重になる。具体的には、スッテを迷わず抱くのを止め、触れてみて違和感が無ければ抱くという行動をとるようになる。
このような状況でも、腕に自信のある人は、触れた瞬間フッキングしヒットに持ち込む荒業も可能だが、誰でも簡単にできることではない。
こうなると、「乗せる」ことを意識したイカメタルゲームが有効になってくる。
乗せモデルのロッド
そこで紹介するのが、乗せモデルのロッドを使ってマイカに違和感を与えずハリに乗せていく戦術だ。この手のロッドは、軽い負荷でもティップからベリーまで抵抗なく曲がってくれる。
そのため、スッテを触ってきたイカが違和感を持ちにくく、そのまま抱き着いたり、抱いたままでいる時間が長くなってアワセのチャンスを得やすい。あわよくば、オートにフッキングすることもある。
ゲームも中盤に差し掛かったころ、松中さんは戦術を転換。ロッドを乗せ(N)モデルのMETALZON(メタルゾン)TZ C610ML-N/TISLに変更する。このまま掛け(K)モデルのロッドで釣りを続けることもできたが、乗せパターンの戦術の紹介と、派手な誘いを好むスルメイカが集まりだしたことから、ソフトなロッドで、優しく誘ってマイカを抜き釣っていくことにした。
これが奏功し、着々とマイカを追加。ティップに出るアタリを見ていると、触ってきたイカが、そのまま疑わずにスッテに乗る様子が手に取るようにわかった。