乗っ込みシーズンに突入した蒲生田の磯へフカセ釣りでチヌを狙って釣行。バラシもあったが本命7匹をゲットした当日の模様をお届けする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター濱堀秀規)
気配出だすもバラシ連発
7時過ぎに磯上がりして、9時まで魚の気配がない。「こんなはずじゃない。天下の蒲生田岬。しかも乗っ込みチヌのシーズン真っ盛り」と思っていたが、やはり名礁。9時過ぎからアタリが頻発しだした。これはいい兆しである。
しかし悪いことに、ハリ外れ。わかめに持って行かれる。ハリス切れ。と3連続でのバラシである。「イヤー釣りはバラシがあるから、楽しい。ハラハラドキドキが楽しいのよ。」と大きな声で叫んで、自分を落ち着かせた。
しかし3連続バラシで動揺していたのか、チヌバリ2号をばらまいてしまった。「あーどうしよう。泣くわ。そうだ、グレ針7号で代用しよう」と仕掛けをこしらえなおした。ところが、今度のアタリでは「わかめの方に行かせんぞ。と強引に引っ張ると、すっぽ抜けてしまった「あれーーー」またしてもバラシである。
そこで岡本さんへ「チヌバリもってない?」と聞くと、「よく掛かるハリありますよ」「ほな、2号ちょうだい」「ほなこれどうぞ」と渡してくれたのは、残り2つだけがハリ袋に入っているチヌ2号である。「ありがとう」今度は小さなグレバリから大きなチヌバリに戻して、釣り再開である。
これがよかったのか、今度はチヌちゃんがタモに収まってくれた。続いて2匹目も。連チャンである。
底を意識し釣友も本命
「岡本さん。アタリありましたか?」「いやないです」「岡本さんが釣ってくれなー。どうしても釣ってくださいね」「ほんで、仕掛けに3Bか5Bありますか」「いや持ってない」「えーウキのテスターさんが、持ってないの?」しゃあない、私の3Bあげますからこれにかえてください」と半ば強引に仕掛けの変更を促した。
「オモリも中通しの3Bのこれ使ってください。タナはどのくらいで釣ってます?」「3から4ヒロくらいかな」「あー、ワカメとか海藻釣れましたか?」「いやなんにも」「ほな、もう少し深い方がいいですよ」と強引にウキ止めをすり上げると「ホーこんなに深くを釣るんじゃ」「そうですね、春チヌは壁の際や、底に居るんで、秋のように浮いてこないんで、底にエサをはわす感覚ですね」と説明。
「まきエサは、しっかりまいてますか?」「おう、まいとるよ」「固めて底に届くようにしててますか?バラけてまくんじゃなくて」「ほれは、そうしとるよ」「ほな、一カ所に丸9杯めまいてくださいね。まる5まる6……マルキユーって」岡本さんはニコニコしながら真面目に「まる7、まる8、まる9」と9杯ずつ固めて1カ所にまいてくれている。
それを見届けて私も釣り場に戻った。するとしばらくして、岡本さんが「やりましたー」とタモに入った立派なチヌを掲げている。「おー立派。さすが名人」とタモを持った姿と、チヌだけを持った姿を動画に収めた。
裏向きに移動して追加
目の前に漁師のボートが近寄ってきて、磯半分を囲むようにタテ網を入れだした。「岡本名人。こりゃだめですわ、裏を釣りましょう。どこでも釣れますから」と裏向きに移動した。
すると、私に連チャンでチヌ。コンコンと首を振るたびに、竿を通して心地いい振動が伝わってくる。チヌはこれが楽しいのよ。そして、近くまで寄せてくると、グレのようにいきなり突っ込む。体勢を立て直して、タモに収める。「わはは、居りますよ、裏にも、どこでも」
すると、岡本さんも大きく竿を曲げている。そして突っ込まれている。楽しそうである。よく引く蒲生田のチヌを、やっとこさタモに納めた「お見事、岡本さん。やりますなあ。でかそうですね」「いやーそれほどでも」と照れ隠しである。その後、「私には秘策がある」とおっしゃっていた岡本さんの仕掛けは、2段ウキに変更されていた。
午後1時過ぎにまきエサがなくなったので、終了として片付けを始めた。すると岡本さんも、「わたしもやめますわ」と片付けに入った。