年末から断続的に日本列島を寒波が襲い、寒さのせいで体調を崩した方も多いのではないでしょうか。そんなときは、「魚卵」が強い味方になってくれるかもしれません。
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大寒波で幕開けした2021年
2020年末から現在にかけ、記録的な寒波が数度に渡り日本列島を襲いました。日本海側を中心に記録的な降雪があり、南日本でも吹雪となるなど、関東や静岡を除く殆どの地域が雪に覆われ、体験したことのない寒さを訴える人もいました。
また今年の気温の特徴として、寒暖の差が非常に激しくなっているということも挙げられます。関東地方でも、最高気温が1日で10℃下がる・上がるなどといった日が続き、新型コロナウイルスとともに健康管理上の大きな不安となっています。
気象庁の予測によると、1月いっぱいは全国的に平年より気温が低く、2~3月も平年並みの気温とのことで、この寒さはまだしばらく続きそうです。
寒さで起こる肌トラブル
寒く乾燥した日々が続くと避けられないのが「霜焼け・あかぎれ」といった肌のトラブル。手足の指先や頬、耳などがピリピリと痛痒くなり、ストレスになっている人も多いのではないでしょうか。
霜焼けやあかぎれは、氷点下のような極寒条件よりも、気温5℃前後の環境や、昼夜の気温差が激しい時に起こりやすいと言われています。寒さと暖かさの刺激が繰り返されると、それに伴い血管の収縮や拡張が繰り返されます。それによって血液の循環に障害が起こり、霜焼けになってしまうのだそう。
またあかぎれは、寒さと空気の乾燥によって皮膚に細かなひび割れが入ってしまうことで発生します。最近では空調の充実によって屋内と屋外の気温差が大きくなってしまっており、昔と比べてあかぎれになりやすくなっているそうです。
「魚卵」で血行促進
これらの嫌な肌のトラブルは、いずれも末端部分の「冷え」が根本の原因となっています。そのため、冷えを防ぐことができればいずれの症状も軽減させることが可能。
冷えを防ぐために最も効果的なのは、ずばり「血行を良くこと」です。そのために摂取したいのがビタミンEで、末梢の毛細血管を太くして血流を良くし、冷えを軽減させる働きがあります。あかぎれや霜焼けの治療にあたっても外用・内服されています。
薬だけではなく、日常の生活でも積極的に摂取しておきたいですよね。実はビタミンEは魚介類にも多く含まれており、とくに筋子、いくら、キャビア、たらこといった魚卵には、全食材中でもトップクラスに多く含まれています。
キャビアやイクラをたくさん食べると言うのは、費用の面からあまり現実的ではありませんが、冬が旬である「たらこ」は安いので懐にも負担は大きくないでしょう。たらこやマダラの真子などを積極的に食べると良いと思います。
ちなみに魚卵ではありませんが、ビタミンEはアンコウの肝にも豊富に含まれています。これもいま旬真っ盛りなので、鍋物で心も体もポッカポカに……というのも良いかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>