伊藤さとしのプライムフィッシング【新ベラをグルテンで釣ろう：第4回】

「（この釣り方は）魚を寄せられないからね。まったく寄せ効果がないとは言わないけど、バラケを使った釣りに比べたら極端に劣る。ではどこで劣った部分をカバーするのか」

「そう、さらにエサ打ちのリズム。魚に対してのアピール力を上げられる仕掛けで、かつエサ打ち回数を増やす。こうすればバラケを使った釣りと比べて、劣る部分を少しでもカバーできる」

「グルテンエサの特徴をうまく引き出してやるセッティングかな」

「銘柄によってそれぞれ特徴は異なるから、ここでは一概に言えない。でも絶対的に言えることは、グルテンはあくまで食わせエサだってこと。ならば食わせるにはどうすればいいかを考える。当たり前の話だよね」

「なかでも重要なのはエサ持ちかな。と言うのも、この釣り方の場合は狙っているタナにある程度の魚影量があることが必須条件だよね。だって寄せないのだから。だとすれば魚はすでにいて、食い気もあると仮定した釣りになる。であればエサへのアタックも強くなるから、エサを持たせやすいハリの大きさが重要になる」

「しかもアピール力も確保したいとなれば、ある程度長めのハリスも必要だよね。短くても食ってくるなら、それに越したことはないけど」

「ご名答。だっていない所にいくらエサを打ったところで意味がないしね。いないなら寄せる。それにはバラケを打つ。でも今回の釣りはそうじゃない。いる魚をどう釣るかって話だから、それ相応の対応でないとうまく釣りきれない」

「対象魚が新ベラばかりならそういう展開に持っていきやすいけど、旧ベラ交じりではそう容易ではない。でもそういう方向性をもってリズムよくエサ打ちすることは、この釣りにおいては重要なことだよ」

「長竿とは限らないけど、両グルテンの釣りだと得てしてそういう長さになりやすい。長竿を終日リズムよく振るのは体力勝負にもなるから、竿の選択（重量）や仕掛けの長さなど、自分が振り込みしやすいように工夫・調整することも大切だね」