長野県南佐久郡小海町にある松原湖のヘラ釣りがシーズン終盤。夏の爆釣とはそろそろおさらばして、静かにウキを見つめる釣りもたまにはいいものだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
松原湖のヘラ釣り場
水面標高1123mの松原湖は、すでに秋の装いとなり湖畔は紅葉の見ごろを迎えつつある。最盛期には紅葉狩りを楽しめるだろう。また八ヶ岳に朝日が仕込む瞬間の色合いが素晴らしい。釣行するなら、ぜひ日の出時間に合わせて出かけてほしい。
釣況は次第に秋の釣果になりつつある。最盛期のトップ釣果と比べたら見劣りするが、それでも釣り方次第では50枚オーバーのヘラブナをラクに狙える。晴れた日ほど朝の冷え込みが厳しいので、防寒着は必ず持参したい。
ヘラ釣りのポイント
水温低下とともに水深が深い北・南風倒木ロープや稲荷ロープ、中央ロープに人気が集中しつつある。ただし底釣りオンリーなら弁天ロープや血の池沖ロープも面白い。当日の風向きを考慮して、なるべく深いポイントに入ったほうがリスクは避けられるだろう。
しかし気温が上昇する午後は、あえて深場から浅場のポイントへ移動するのも面白いかもしれない。風向き、水深、釣り方の多様性。これらの要素を総合して現在、もっとも人気があるのが前述した南・北風倒木ロープの岸向きだ。
ウキが見やすいうえに風もほぼ背中から。水深も21尺いっぱい前後あるので、チョウチンから底釣りまで幅広く楽しめる。これらの優位性により入釣者が多く、エサ打ち回数も多くなるので居着きの魚が増えアタリ出しも早い。
また桟橋から近い弁天ロープ、最深部を狙える中央ロープの人気も高い。混雑を嫌うのであれば血の池沖ロープまたはピンクロープがお勧め。どちらも18尺竿以下で底釣りが可能だが、ピンクロープに関しては底に根掛かりがある場所があるので、着舟位置をズラすなどの対応が必要になるかもしれない。
釣り方とエサ
水温の低下とともに、夏によかった浅ダナは影を潜めて徐々に深いタナへとシフトする。そうなると面白いのがチョウチン釣りと底釣りだ。
底釣り
南・北倒木ロープの沖向き、稲荷ロープなどを除けば、どこでも長竿で底釣りが可能。長竿が苦手なら血の池沖ロープや弁天ロープがお勧めだ。
一部のポイントを除き底は急なカケアガリかガラ場の凹凸が主体。フラットな底の底釣りはまず不可能だろう。よって大切なのはアタリが出やすいエサ打ち点を見つけ、そこにピンポイントで毎投着底させること。そのためにはできるだけ穂先~ウキ止めの距離がを短くする。
仕掛けはハリスの長さを調整しつつ、それでもウキ上が余るようなら竿の長さを替える。とくに南・北倒木ロープの岸向きは逆カケアガリに加えて地もフラットではないので要注意。
ノーマルなカケアガリまたは比較的フラットな底で釣りたいなら、血の池沖ロープがいい。ナジんで戻してツンのノーマルな底釣りではアタリが出せないなら、あえて上バリトントンなどにこだわらず、段底チックな底釣りが面白い。下バリだけを底に着けて戻しは上エサに任せる。こうすることで釣りのリズムが作れてその先の対応がしやすいだろう。
チョウチン釣り
日並みにもよるが竿15~21尺が定番。釣り方はグルテンセットまたはウドンセットが主流となるだろう。早いアタリが期待できるなら食わせはグルテン。”お待ち”の釣りなら溶けてなくならない固形物(インスタントウドンなど)がいい。
グルテンセットを例にするならタックルとエサは以下のとおり。道糸0.8号、ハリス上0.5号下0.4号。ハリス長は狭い段差でもアタってくるなら上40cm下55cm、広めがいいなら上20~30cm下50~70cm。ハリはバラサなら上7~8号下3~4号。湖水流れが発生しやすいので、ウキは浮力が高めのPCまたはグラスのムクトップがいいだろう。
バラケは段差バラケ、バラケマッハ各400㏄+水200㏄で30~40回かき混ぜBBフラッシュ200㏄。魚の寄りが悪い時はBBをセット専用バラケに替えるのもいいだろう。食わせはアルファ21が50㏄+水60㏄でハリ付けはハリが隠れる程度の小さめにする。トップをしっかりナジませるのが基本だが、沈没するようならタテ誘いをかけてバラケの煙幕を作ると反応を得られやすい。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>