10月4日、東京・神津島の吉栄丸にてシマアジ狙いのコマセ五目で出船。水温も落ち着き始めた伊豆諸島海域の釣況をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・たける)
神津島でシマアジ情報
彼岸花が咲き始めた秋の神津島。まだ例年より海水温はやや高いものの、25度前後まで下がって落ち着いてきました。それと同時に聞こえてきたのが、名物であるシマアジの釣果です。言わずと知れた「超」の字が付く高級魚であり、ここ神津島の名物といえる水産資源の一つです。
そのシマアジが、どうやら日によってムラはあるものの、高確率で良型が釣り上げられているとのことです。夏の間は高水温に悩まされ、好釣果に巡り合えなかったこともあり、お誘いを受けて二つ返事で乗船することにしました。
吉栄丸でシマアジ釣り
今回、乗船させてもらったのは神津島の吉栄丸。経験豊富な大船長と、息子の若船長で出船する親子船です。イケメン若船長がいろいろと優しくサポートしてくれますので、吉栄丸を初めて利用する場合も安心できます。
基本は神津島周りのポイントを探って回り、反応があれば攻め、反応がなければ次のポイントへ移動するという方式です。ポイントは大船長がその経験と事前情報から選択してくれます。
ポイントに着くと大船長からタナの指示がありますので、後はそのタナまで仕掛けを落とす…というスタイルです。事前情報によると、1人10尾以上釣れるケースもあるとのこと。
1人暮らしの私はそんなに釣っても食べきれないのですが、「シマアジ爆釣」という言葉には魂をくすぐられ心を踊らされます。シマアジをオカズにシマアジを食べてお腹いっぱいになる夢を見ながら、いよいよ実釣スタート!
実釣開始のハズが…
さて開始早々、周りでは1投目から本命のシマアジが釣れ始めています。その一方で私と言えば…「電動リールって、どうやって使うんだっけ?」という状態でフリーズしていたのでした…。若船長が準備してくれたレンタルタックルが目の前にあるのですが、使い方をどうにも思い出せません。
一応言い訳をさせていただくと…前回、船のエサ釣りで電動リールを使ったのはなんと2010年5月なのです。もちろんそれもレンタルでした。10年以上前に一度レンタルで利用したことのある道具の使い方を覚えている方がスゴいと思います。つまり私が悪いのではなく、時の流れが悪いのです(笑)。
「えーっと、これがクラッチで、これを切って仕掛けを落として、巻き上げるのはこのレバーを…(ウィーン)。お、正解。もう一度復習しとこ」。こんな感じでモタついている間に、周りではシマアジがどんどん積み上げられていくのでした。
せめて自分が使うタックルの使用方法くらい、ポイントに着くまでに覚えておいた方が良いという反省事例その1でした。
仕掛けの経年劣化
ようやく電動リールの使い方を思い出し、遅れながらもスタートすることができました。しかし、ここでまた一つ問題が発生です。実は仕掛けも10年以上前に買った市販の物を使っていたのですが、これがまたよく切れる。そして、釣れたと思ったらよく折れる。反省事例その2ですね。
古い仕掛けは使うべからず。ハリもハリスも経年劣化は避けられません。開始20分で早々に諦めモードに入りかけたその時、隣の同乗者から「仕掛け、コレ使いなよ」と宝物をいただくのでした。ありがとうございます。
困っている隣人をそっと助けた貴方に、後できっと良いことがあるでしょう。後できっと…。
何とか本命キャッチ!
さて、電動リールは使い方を思い出しました。仕掛けもあります。後はそう、釣るだけです。競馬でいうと、5馬身差くらいの非常に大きな出遅れだった感は否めません。それでもみんなからの助けもあり、私も何とか本命シマアジをキャッチすることができました。
一応テクニカルな話をしますと、シマアジはとにかく口が弱い魚です。竿はなるべく軟らかいものを、ドラグは緩めで時間をかけてもいいのでじっくり上げることがキャッチ率を上げるコツになります。
また「これくらいのサイズなら抜き上げられるかな?」という考えもNGです。今回それは身をもって思い知りました。相手はシマアジ。時合だからこそ丁寧に、そして慎重にやり取りすることをオススメします。
竿頭は1人で18尾
イサキやオジサン、ナンヨウカイワリなどの魚が交じり始めると、シマアジのアタリも遠くなり、長く続いた時合もついに終了です。大きく出遅れた私も、アベレージ30~35cmの立派なシマアジを6尾キャッチ。竿頭は1人で18尾という好釣果に恵まれたのでした。
船でのコマセ釣り初心者に限りなく等しい私で6尾ですから、普段から関東圏の激戦区で船釣りをしている諸兄であれば、2ケタ釣果は固いと思われるシマアジの釣れっぷりでした。