京都府の北部に位置する美山川は、そのたたずまいは、山紫水明そのものといえる。
美味しいアユ
源流域となる芦生(あしゅう)には、京大が有する研究施設の一つ、芦生演習林があり、原生林が残るその地ではトレッキングツアーも行われている。
その原生林から発した澄んだ水は、いいアカを育み、そのアカを食べたアユは香りが高く、いうまでもなくうまいアユだ。
毎年、高知県で行われている、「清流めぐり利き鮎会」という、アユの塩焼きの味を比べる品評会があり、美山川は準グランプリを4回受賞している。
あちこちの河川のアユを釣っては食べているが、お世辞抜きでうまいので、足しげく通っている河川の一つだ。
かつて、湖産アユオンリーの放流時代は、けっこう釣りやすい川と思っていたが、人工産の放流とカワウ被害により、若干クセのある川になりつつあったが、昨年の解禁日はものの見事に覆してくれた。
ポイントに入るのが少し出遅れたにもかかわらず、ちょろっとしたポイントで40匹ほどが入れ掛かりしたのだ。
しかも、まっ黄色の付きアユが……。
このまっ黄色の付きアユは、天竜産のアユと思われる。
今シーズンも、この天竜産が放流されるので楽しみでしようがない。
私の入ったポイントは全体に釣れていたが、爆発したのが中地区。
初めて美山川のアユ釣りをした人が、なんと3ケタ釣りを達成。
仲間もウハウハの釣果だったというのは、まさしく天竜産のアユのお陰だろう。
原風景を想起させる地
美山川が好きになったのは、まず一番にアユがおいしいこと。
そして、昔のままの雰囲気というか、山があり、そのすそ野を川が流れており、民家が少ないということ。
そして今もなお、かやぶきの家の集落があり、いつ通っても日本の原風景を思い起こさせてくれる雰囲気など、数え上げればきりがない。
森が多いことで、日中は暑くても日が陰りだすと、一気に気温が下がり涼しくなる。
クーラーの使用は年に数回と、地元の人がいうくらいだ。
放流量と遊漁料
よく入るのは、漁協のある安掛(あがけ)から上流。
この辺りでも水はきれいだが、田歌(とうた)周辺まで行くと、さらに水質はアップし、透き通る感じになる。
大きな支流は、棚野川だけと言ってよく、もちろんアユも放流されているがここ数年はパッとしない。
ここ数年、どこの河川でも同じだが、ウの被害が多く、釣り人が来る前にウが川へ入り、アユを根こそぎ食べる被害が出ている。
ウよけのテープを川へ張ることにより、放流してから解禁までの被害はなくなりつつあるものの、解禁してからは、そのテープもなくなることから、釣り人の入川の少ない地区は被害にあうようだ。
平成30年の放流は、全地域で琵琶湖産、人工産合わせて3900kgの予定。
4月20日から放流が始まった。
漁協のホームページには、地名と放流量が記載されており、当然放流量の多い地域は人気が高いともいえる。
解禁は5月26日の午前5時。
網の解禁は8月25日、トモ釣り専用区の網解禁は9月9日。
遊漁料は年券1万3500円、日券3500円。
日券の販売は6月23日からとなるので注意したい。
解禁日から6月22日までは、年券保有者しかサオが出せないということだ。
釣り人の人口密度が高い川なので、高水のときは金属系のミチイトが有利だが、渇水になると断然ナイロン系のミチイトで泳がせ釣りをした方が、分があるように思う。
夏場の渇水期は水温が高くなり、オトリ管理も難しくなるのはいうまでもない。
そんな時は、夕方狙いの方が断然有利だ。
「美山川CUP鮎釣り大会」は、6月24日に開催される。
今年で9回目を迎え、とにかく賞品の多い大会として参加者に人気の大会だ。
<安田明彦/TSURINEWS編>