高知県の水族館で「ダツ」をモチーフにしたダーツのキャンペーンが話題となっているのですが、実は本物のダツもまるでダーツの矢のように鋭く、危ない魚として知られています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
「ダツのダーツ」でキャンペーン
ユニークな取組みが多いことで知られる高知県の桂浜水族館が、魚の一種である「ダツ」を使ったキャンペーンをはじめたことが話題となっています。
「ダツdeダーツ」と名付けられたこのキャンペーン。口先がとがった細長い魚であるダツをモチーフにしたダーツの矢を用意され、それを同館の職員が高知県を示す地図上に投げ、その矢が刺さった市町村在住者は一ヶ月の間、入館料が半額になるというものです。9月は須崎市、香南市、土佐市の在住者がこの恩恵を受けられるとのこと。
新型コロナウイルスのため県外からの客足が減る中、県内の移動や観光を応援しようと始めた取り組みとのこと。このキャンペーンに合わせ、当水族館では初の「ダツの飼育」にもトライしているそうです。(『ダツ型ダーツで入館料半額に 高知・桂浜水族館』朝日新聞 2020.8.24)
実は怖い「殺人魚」ダツ
今回ダーツの矢として注目されたダツですが、一般的な知名度はさほど高いとは言えません。しかしダツは実は、サヨリ、サンマ、トビウオ、メダカなどを含む「ダツ目」の代表種で、近縁種を含めると世界的に分布している魚です。
サヨリを大きくしたような細長い体型をしており、尾鰭をすばやく振って高速で泳ぎ回りながら、おもに小魚を捕食する獰猛なフィッシュイーターです。エサとなる小魚のようにキラキラしたものを追いかける習性があるようで、光を追う性質があります。
その性質のために、夜間にライトを持って作業をしている漁師やダイバーに向かって突進してきたダツが突き刺さってしまうことがあり、それによる死傷事故も発生しているといいます。ダツが多く棲息する南方の海ではサメと並んで恐れられており、夜にライトで海を照らすことを強く慎む向きもあるといいます。