侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:熱中症の防止&対処法

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:熱中症の防止&対処法

今日の問診票

直射日光、海面からの照り返し、風がない日の蒸し暑さ。さらに寝不足、疲れが重なると、楽しいはずの沖釣りを楽しむことができません。今回は、熱中症の予防や処置についてアドバイスをお願いします。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤惣一郎)

アバター画像
近藤 惣一郎

医学博士・京大卒。SOグレイスクリニック院長。脳外科・美容外科専門医。DAIWA沖釣りフィールドスタッフ。ロンリー侍ドクターとして各種メディアで活躍中。

×閉じる

お役立ち その他

症状が出た時の対処法

脈拍や呼吸回数の増加、顔色の蒼白感、唇のしびれ、軽いめまいといった初期の症状が出た時の対処法を解説しましょう。

熱中症の進行を抑える

症状が出た時点で、十分な水分と電解質補給を行い、風通しの良い場所で、脚を高めにして横になり首や頭部、脇などを氷や冷水タオルなどで冷し熱中症の進行を抑えます。

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:熱中症の防止&対処法横になり首、頭部、脇などを冷す(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

これを我慢して同じ状況で頑張っていると、熱中症が進行し、頭痛や嘔気、嘔吐などが加わってきます。沖釣りで注意を要するのは、これらの症状が船酔いや、単なる寝不足として軽視されてしまうことがある点です。

意識が無くなった場合

不幸にもこれ以上進行するとショック状態となり、意識を無くしてしまうことになります。この時の処置はやはり脚を高めにして横にして衣類を緩め、とにかく体を冷却、必要によっては人工呼吸を行います。そして、船長を通じ、海上保安庁(118番)に、早急に連絡しましょう。

同船者への配慮を

高齢者、肥満者、普段運動をしない人、暑さに慣れていない人、糖尿病・高血圧・心臓疾患等で薬を服用している人、引っ込み思案の人、船酔いしているのに我慢して釣りを続ける人などは熱中症になりやすいので、自分だけのことでなく、ベテラン釣り師は、リーダーとなり同乗者の身体の条件、体調を把握して、早めのアドバイス、対処を心がけてください。

いずれにしても夏の沖釣りは楽しい一方でとても体に負担を与えることは事実です。翌日もしっかり体のコンディションを保ち、仕事をはじめ通常の日常生活を行ってこそ釣り人です。熱中症対策の正しい知識を持ち、釣りの最中だけで無く、普段の生活も含め、暑い今の時期は賢く、慎重に行動することが健康でいられる必要条件です。

<近藤惣一郎/TSURINEWS・WEBライター>