夏の夜の海に出かけてみれば、海中に乱舞する美しい幽霊を見ることができる。その名はタチウオ。ルアーとエサでのタチウオの釣り方を徹底解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)
フッキング率を左右する「ルアー」
さて、問題はルアー。メバルやアジ狙いでタチウオの猛攻に遭った経験のある人なら分かってもらえると思うが、とにかくハリに乗らないのだ。その原因は、両者の捕食形態の違い。メバルやアジがエサを吸い込むのに対し、タチウオはかみ付いて捕食する。そのため、フックの部分を食わせないとフッキングしない。これはワームを使っている場合に特に顕著なのだが、対策は次の通り。
プラグとメタルジグ
1つは、プラグやメタルジグに変更することだ。特にプラグはトリプルフックが2個装着されているものが多く、どこをかんでもフッキングする確率が高い。ミノーやバイブレーションなど、反応のあるレンジによって使い分けるといいだろう。
アシストフックを使用
そしてもう1つは、ジグヘッドにアシストフックを装着すること。下側にもアイの付いたジグヘッドなら、トリプルフックが使える。その際、フックの位置がワームの中央からやや後ろ寄りになるよう、スプリットリングの数やスナップなどで調整するといい。3本のハリのうちの1本をワームに刺し、いい位置で固定しておこう。
ただし、トリプルフックは外す際の手返しが悪い。そんなときは、引き釣りで使うような小型のタチウオテンヤを流用する手もある。要はフックが下向きで、シャンクの長いジグヘッドだ。とはいえ、相手が指2本以下になると市販品では少し大きすぎる感もある。器用な人なら自作してみるのもいいだろう。
グローカラーは外せない
プラグでもジグでもワームでも、とにかくカラーはグロー系が圧倒的に強い。色に関して無頓着な私も、これだけは絶対に外せない。食いが渋くなってきたときにルアーを光らせるとアタリが復活することも多いので、忘れずに用意したい。
ライトタチウオの釣り方
さて、いよいよ釣り方について解説しよう。
タダ巻き→ワインドが正解
タチウオ=ワインド、と思っている人が意外に多い。確かにダートアクションは効果的だが、トリッキーなアクションはミスバイトも誘発する。それはラインブレイクの原因にもなるため、まずはタダ巻きで誘い、反応を見てからワインドに移行するのが正解だ。
レンジ(タナ)
タチウオはレンジにシビアなので、まずはカウントダウンしながらカーブフォールで上から下まで探る。食い上げのアタリも多いので、フォール中はサオ先に神経を集中し、ラインテンションの変化に気を配りたい。底まで落としてアタリがなければ、次はゆっくりと巻き上げながら水面まで探っていく。この場合はアタリも明確に出るので問題ないだろう。
いずれもアタリがあれば即アワセ。かみ付き型の捕食をする魚が向こうアワセでヒットすることは極めてまれなので、積極的なアワセが必要だ。
ヒットを重ね、レンジが特定できればカウントダウンからのスイミングで一定のレンジを探っていく。水面に姿が確認できるような場合であれば、いきなり表層のスイミングでも問題はない。
アクション
ストレートなアクションではアタリが出ない、あるいはアタリは出るが食い込まない、といった場合には、時折小刻みなシェイクを入れてみよう。その直後にヒットすることが多いので、気は抜かないように。
それでも食わなければワインドの出番。タチウオ用に市販されているワインド用ジグヘッドは指2本クラスには大きすぎるので、ライトゲーム用のものを流用することになる。アシストフックなどを活用することが、ヒット率を上げるコツだ。
アクションは、スナップを効かせたジャークとテンションオフ。これをリズミカルに繰り返すことでルアーをダートさせる。ここで大切なのは、テンションを抜きすぎないこと。無駄なラインスラックは感度を鈍らせるだけでなく、切られる原因にもなる。