今回は長野県のヘラ釣り場「中綱湖」をご紹介。ポイント、オススメの攻略法、エサについて詳しく解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 棚網久)
長野県「中綱湖」
長野県大町市北部にある「中綱湖」は仁科三湖の中間にあり面積は3つの中で最小。周囲2.2km。最大水深はデータによると約13mとなっているが、おそらくはもっと浅くなっているだろう。標高815mなので夏の晴天時でもパラソルをさせば涼しい。
流入河川は青木湖から流れ込む農具川で、これがそのまま流出河川となり木崎湖へと注ぐ。7月24日時点で水位は満水。水色は良好。4~5人が入れる浮き桟橋形式の地蔵桟橋、それと固定形式の東桟橋がもっとも人気。しかし釣り方の項でも触れるが、ヘラがエサ慣れしているので難しい。そこでオススメしたいのが、混雑しにくく比較的素直な魚が狙える陸っぱりと橋際桟橋だ。
陸釣りのポイント
東桟橋と地蔵桟橋を結ぶ北側の湖畔沿いに点々と湖面に下りられるポイントがある。通常は1人だが、なかには2~3人が並べるポイントもある。手前は激浅でも少し沖から急深になるので、見た目以上に長竿は必要ないだろう。竿12~18尺が標準的なラインではないだろうか。
宙釣りがメイン
沖に群生した水草の際を魚が回遊しているので、水草ギリギリにウキが立つように竿と仕掛けの長さを調整して狙う。釣り方は宙釣りがメイン。下流に向かって湖岸が絞り込まれる地形なので流れが出やすく、しかも落とし込みの技術が要求されるが、魚自体はとても素直なので釣ることは難しくない。
水草の中から思わぬ大型が出ることもあるので、ヒットしたらすぐに草から離すようにやや強引なやり取りが必要。よって通常よりもここを狙う場合は、仕掛けを太めにしたほうが安心だ。
エサ
同じ両ダンゴの宙釣りでも、桟橋と陸っぱりでは若干の違いがある。桟橋はエサ慣れしている魚が多く、触りは早く出るもののハリに付いたエサへの反応が弱い。よってバラケ性のエサだと寄りは早くてもエサに来ない。ハリから抜けるエサを待っている感じが強いので、ナジみきってアタらせるよりもナジみきるまでの一方通行の釣りが向いている。
だからといってエサのタッチが硬すぎたり開きづらいと反応が悪い。陸っぱりも似てはいるが、回遊魚が多いので寄った時は簡単に食ってくる。しかし傾向としては早めのアタリに絞るスタイルがいいだろう。キモは軟タッチでありながらボソが残り小さく芯残りさせること。つまりバラケ性とネバリを両立させないと、同湖の宙釣りを共エサで攻略するのは難しくなる。
攻略法
混雑具合にもよるがハリスは最長50cmでスタートすると、その後の展開が読みやすい。トロ巻きセットも効くので、両ダンゴでは手強い時は試してみてほしい。バラケは特Sのようなネバリの出る銘柄を利用して芯を出し、スーパーDやGTSでバラケ性を出すといいだろう。ハリスは上10cm下18cmからスタートして様子をみよう。
底の状態次第で釣果が分かれやすい底釣りだが、同湖はカケアガリを有しているものの、底がきれいなポイントは多い。しかし魚は宙層にいるケースが多いので、宙釣り同様に待ち釣りよりも、早めのアタリを積極的に狙っていきたい。ハリスは30~40cmで十分だが、反応が悪い時は50cm前後を上限に伸ばしてみよう。エサは両ダンゴでいい。なおウキは宙・底ともPCムクトップがオススメ。ナジミ途中のアタリは小さいので、パイプトップではそれが出ないこともある。
観光とグルメ
湖の西側に高く連なってそびえるのが北アルプス。ただし湖からだと近すぎてその雄姿が望めない。雄大な北アルプスを望むなら、蕎麦の郷として知られる新行高原周辺から長野五輪時に整備されたオリンピック道路を経由するルートの眺望が素晴らしい。
ただしこの場合は上信越道長野IC利用のほうが行きやすい。同ICから青木湖へルート設定すると、通常はオリンピック道路を経由するルートが指示されるはず。そこからさらに新行高原(美麻新行地区)に点在する蕎麦店にルートを変更すれば、蕎麦を食べながら木崎湖へも出られる。木崎湖に出れば中綱湖まではR148を北上するだけの一本道なので分かりやすい。
新行地区の蕎麦店は、どこもオリジナリティがあり美味しい名店ぞろい。とくにオススメは『山品』。細く黒みがある手打ち蕎麦は、のど越しが爽やかで蕎麦独特の風味も強い。そのほかに、おやきなどのサイドメニューも充実しているので、腹を空かせて向かってもらいたい。ただし日中の営業のみで、夕方は閉店している店も多い。よって釣りは午前中もしくは午後だけとして、その前後いずれかで来店したほうが安心だろう。
<週刊へらニュース 棚網久/TSURINEWS編>
中綱湖
入釣料:¥1000(現場徴収)。陸釣りは釣り台必携。