Dr.近藤惣一郎フィッシングクリニック:電動リールで「銭洲カンパチ」攻略

Dr.近藤惣一郎フィッシングクリニック:電動リールで「銭洲カンパチ」攻略

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大物釣りに使用される「電動リール」。手巻きリールとの違い、使用方法について教えてください。

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(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤惣一郎)

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近藤 惣一郎

医学博士・京大卒。SOグレイスクリニック院長。脳外科・美容外科専門医。DAIWA沖釣りフィールドスタッフ。ロンリー侍ドクターとして各種メディアで活躍中。

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診断結果

電動リールのメリットはパワーだけではありません。私自身も楽をするためだけに電動リールを使用しているわけではないのです。利点をしっかりと理解することで、釣果へつなげていきましょう。

処方箋

電動リールで大物を狙うのは、楽をするためではなくヒット率を上げ、ヒットした貴重な魚を逃す確率を抑え、確実に仕留めるためなのです。大物の聖地「銭洲」でのカンパチ釣行レポートと併せて、電動リールの使用方法とコツを解説します。

手巻きと電動リールの違い

大物釣りのベテランアングラーが手巻きの両軸リール、とくにレバードラグリールを好んで使用する理由は、「最大ドラグ力の高さや優れたドラグ調整能」、「スプールフリーでの快適な回転性能」、「軽量で機動性が良く負担無く手持ちスタンディングの釣りが一日中あたりまえに行えること」、などが挙げられます。

裏を返せば、これらの点でかつて電動リールは手巻きリールに比べ劣っていたわけです。また大物釣り師は、魚との一対一の真剣勝負を釣りのテーマにしている方が多いです。電動の力を使わず、自分の力でヒットした魚を釣りあげたいという精神的名部分も手巻きリールを使用する理由です。

進化を続ける電動リール

1977年、モーター外付けの初代電動リール「ジャイロパワー」が誕生しました。それからおよそ20年後の1998年、防水性を実現したモーター前置き・FFシステムの小型電動リールが登場。そして2000年以降、モータの磁力アップで電動リールのパワーアップと軽量コンパクト化は段階的に進んで行きました。

また、これらと共に電動リールのドラグ性能やフリーでのスプール回転能も飛躍的に向上しています。また PEラインの強度、耐久性の進化でラインが細くなり、小さめのスプールでも糸巻き量がアップして、小型電動リールの実用性がより高まりました。

2017年に登場し、相模湾のコマセキハダ・カツオ釣りに挑む多くの釣り人に愛用されているシーボーグ800MJは、最大巻上力は約680kg、巻上げスピードは最速で150m/分とまさに驚異的な数値を実現した夢のような電動リールです。

Dr.近藤惣一郎フィッシングクリニック:電動リールで「銭洲カンパチ」攻略シーボーグ800MJ(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

他メーカーのものも含め、これらハイパワー電動リールを使用して、近年、多くの釣り人が20kg、30kg級といったキハダを釣りあげています。では 電動リールはパワーがあるだけがメリットなのでしょうか。釣り初心者でもなく、体力もある私が電動リールで大物を狙い、仕留め続けるには、楽をするためではないのです。それはヒット率を上げ、一旦ヒットした貴重な魚を逃す確率を抑え、確実に仕留めるためなのです。

無限の可能性を秘める「銭洲」

2020年6月30日、銭洲のカンパチ釣行。今回は大物泳がせ釣りで電動リールを用いるメリットと留意点を踏まえながら、当日の様子をお伝えします。

この日私自身、コロナ自粛開け後、今期3度目の銭洲チャレンジ。新型コロナウイルスの医学的・社会的問題もあり、今期それまでの銭洲の状況は「前日良くても次の日さっぱり」といった具合に、潮の状況が落ちつかず、その日行ってみないとわからないような潮況が続いていました。

Dr.近藤惣一郎フィッシングクリニック:電動リールで「銭洲カンパチ」攻略銭洲(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

私も過去2度の釣行日は 潮が悪く船中カンパチ1本と0本。何れも勝負自体させてもらえない状況でした。この日も梅雨前線が活発化して本州は大雨の予想、前日の釣果もカンパチは船中1本のみで苦戦は覚悟。

それでも 無限の可能性がある銭洲に大物釣り師は挑み続けます。我々釣り人は 自然を受け入れ与えられた条件の中で、船長を信じベストを尽くす他ないのです。

とびしま丸はコロナ対策も万全

お世話になったのはカンパチ丸として知られる西伊豆・土肥港、とびしま丸。乗船前の体温測定、かぜ症状の有無、行動歴申告、手荷物消毒、口腔内消毒、キャビン内マスク着用義務といった入念なコロナ対策を行う鈴木忠文船長の第11とび島丸は、この日も私を含め11人のチャレンジャーを乗せ午前2時頃出港。

途中神津島で漁師が釣り上げたアカイカを搭載して午前7時前に銭洲海域に到着。天候は曇りで、波も穏やかな凪の海。私の釣り座は左舷ミヨシ。

エサとタックル

通常なら餌のムロアジ釣りからスタートですが、この日は各自の生け簀に事前に希望した数の立派なアカイカが配られ、早速本命カンパチ狙い。ハリス50号親孫針仕掛けで投入。

Dr.近藤惣一郎フィッシングクリニック:電動リールで「銭洲カンパチ」攻略餌のアカイカ(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

当日のタックルは下図の通りです。

Dr.近藤惣一郎フィッシングクリニック:電動リールで「銭洲カンパチ」攻略タックル図(作図:WEBライター・近藤 惣一郎)

タナ取りのテクニック

最初のポイントは水深が70mほど。「魚は居るね、潮が速いからマメに底取りして底から3~5mでタナをとって」と船長のアナウンス。マメに底をとるとは言っても、潮が速い時は道糸が潮の抵抗を受け傾き、無考慮に糸を出すとあっという間に他者とのオマツリを招きます。

コツは底から3~5m上を狙うとしても、錘着後、いきなりリーリングで巻き上げてタナ取りするのではなく、着底後、速潮と船の動きで自然に浮き上がる仕掛けの動きを利用すること。巻き上げリーリングは状況を見て臨機応変に加えたり加えなかったりして、タナ探ることが、速潮でのテクニック。

電動リールなら電動微速巻き上げができ、その分アタリに集中できます。こうすることで仕掛けの浮き上がりすぎや、逆にその状態から錘を再着底する時に出る無駄な糸フケを抑えることが出来るのです。また貴重なアカイカを弱らせないことにもつながります。

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