夏が旬のイサキとハタの『自宅で簡単にできる』熟成方法

夏が旬のイサキとハタの『自宅で簡単にできる』熟成方法

今回は、今が旬のイサキとハタをより美味しくいただける「熟成」のやり方を紹介。手順さえ知ってしまえば意外と手間では無い、自宅でも手軽にできる熟成方法を解説しましょう。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・池田翔)

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池田翔

昭和61年3月20日生まれ。宮崎県の沖磯・マイボートで、メジナ・根魚・青物をメインターゲットに釣りをしている。

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釣魚を熟成でもっと美味しく

皆さんは「魚は寝かせた方が美味しい」と聞かれたことは無いですか?魚を熟成させることで、たんぱく質の変化などによって結果的に旨味成分が増加することは、科学的にも証明されています。

釣りたての魚も十分美味しいです。しかし、食べきれない分はしっかり熟成させて、後日さらに美味しくなった魚を食す。これが、釣り人最大の贅沢であり、醍醐味ではないでしょうか。

魚の血抜きについて

まずは魚の鮮度を保つ「血抜き」について解説していきましょう。

血抜きの必要性

私たちは魚を釣り上げた後、最初に血抜きをしますよね。実はこれがとても大事なんです。私も実際に体験したことが何度もありますが、血抜きをしていない魚を捌くと、白身の魚でも身がピンク色になります。ヒカリ物は特に臭みが強く出ることもあるため、釣り上げた後は素早く血を抜く必要があります。

血抜きの方法

血抜きの方法は様々ありますが、一番簡単な方法はエラの膜を切って、さらにエラを切断することでしょう。エラ蓋を開けると、胸ヒレ側に白い膜が張っています。ここをナイフや包丁で切ります。その後にエラを切断します。すると血がピューっと出てきます。あとは尾ヒレを持って、氷水の中で魚をフリフリしてください。常温の水では血が固まってしまうので、氷水を使うのがベストです。

締め方の種類

血抜き以外に、神経や脳を締める方法もあります。尾ヒレの根元をナイフで切ると、背骨の上に小さな穴にあります。そこが神経が通っている場所です。その小さな穴にワイヤーを通していくと、魚がピクピクっと動きます。そうなったら神経まで締まっている証拠です。

そこまで終わったら、あとは氷水で締めていきます。このときの注意点ですが、魚が氷に直接当たっている状態は良くありません。なぜなら魚が氷焼けを起こしてしまうからです。クーラーに魚が浸るくらいの海水を入れて、直接氷に当たらないようにしましょう。

イサキの熟成方法

血抜きと氷水で締めた状態で持ち帰ったら、いよいよ熟成の準備です。

不要部分は全て落とす

熟成では腐りが早い部位は全て落とします。つまり、内蔵・エラ・目玉・ヒレを全て落として、鱗も剥がした状態にします。内臓を落としたら血合いに傷を付けて、指やブラシでゴシゴシ残った血を洗い流します。

夏が旬のイサキとハタの『自宅で簡単にできる』熟成方法腐る部分は取り除く(提供:WEBライター・池田翔)

キッチンペーパーで巻いて寝かせる

その後キッチンペーパー等で水気を十分にとり、腹とエラの部分にキッチンペーパーを詰めていきます。そこまで出来たら、キッチンペーパーで魚をグルグル巻きにして、さらに出来るだけ空気を抜きながらラップで巻いていきます。酸化を防ぐために、出来るだけ空気を抜くことを意識しましょう。

熟成期間2~3日ほど冷蔵庫かチルト室で寝かせたら、モッチリとして甘みの強い身が出来ます。

ハタの熟成方法

続いてハタの熟成ですが、手順はイサキとほとんど変わりません。

薄皮一枚がベター

ハタの場合は、鱗と皮の間をスキ引きして、薄皮一枚の状態にしていくといいでしょう。皮が分厚い魚やヌメリのある魚は、鱗を剥ぐだけでは臭みが残ってしまう原因になってしまいます。

夏が旬のイサキとハタの『自宅で簡単にできる』熟成方法ハタは「スキ引き」すると良い(提供:WEBライター・池田翔)

スキ引きは練習あるのみ

スキ引きは、尾ヒレ側から柳刃包丁で鱗を削いでいくイメージで、柳刃包丁全体を使って削いでいきます。うまくいくと真っ白な薄皮が現れますが、包丁を深く入れすぎると身まで到達してしまいます。こちらは練習が必要でしょう。ハタなどの根魚は、身に弾力があり釣りたてでは硬く感じることもあります。しかし熟成することでモチモチとした触感になります。

塾成魚の食味は絶品

私は釣りたてと熟成させた魚を食べ比べたことが何度もあります。釣りたてでも十分美味しいですが、やはり熟成させた魚は甘みと旨味が強く、ネットリと口の中に広がります。是非食べ比べていただきたいと思います。

<池田翔/TSURINEWS・WEBライター>