回転寿司チェーン店「無添くら寿司」を運営するくら寿司株式会社は、漁業者支援を目的とし、養殖マダイ計200tを仕入れる取り組みを開始。取り組みの内容、そして同社の『想い』について電話取材しました。
(アイキャッチ画像提供:くら寿司株式会社)
くら寿司が養殖マダイ200tを購入
「無添くら寿司」を運営するくら寿司株式会社は、新型コロナウイルスの影響により苦境に立たされる漁業者を支援するため、養殖マダイ計200tを仕入れる取り組みを開始しました。取り組みの背景、そして同社の「想い」について取材しました。
マダイの新規取引先を拡大
くら寿司株式会社によると、『愛媛県の養殖業者5社』から養殖マダイ計200tを購入するとのこと。同社ではこれまでに、愛媛県の養殖業者から「みかんぶり」や「みかんサーモン」などの「フルーティーフィッシュ」を仕入れてきました。今回の取り組みでは、愛媛県外の別業者からの仕入れ量に加えて、フルーティーフィッシュを取引している業者から新たに買い増しして、マダイを仕入れたとのこと。
愛媛県内で商品化
同社によると、今回の取り組みは6月23日から開始されたとのこと。仕入れた養殖マダイは、今年10月をめどに新ネタとして商品化されます。仕入れたマダイは品質を保つため、特殊な冷凍技術で一時保管されるそう。新メニューでその美味しさを味わえるのは消費者としても楽しみですね。
なお、期間限定ではありますが、仕入れたマダイは既に「絆真鯛」というネタとして、愛媛県の全5店舗で商品化されているとのこと。愛媛県宇和島の鯛飯をイメージした、黄身醤油漬けの寿司ネタとなっています。【販売期間:2020年7月3日(金)~7月9日(木)】
取り組みの背景&目的
では、なぜこの取り組みが開始されたのでしょうか。その理由について詳しく聞いてみました。
背景はコロナウイルス
今回の取り組みの背景にあるのはやはり『新型コロナウイルス』。外出自粛・営業自粛で、多くの漁業者の販路が減少している一方で、エサ代などの維持費は掛かり続けています。魚が出荷ができないことで、新たな稚魚が入れられず、出荷の回転率にも大きな影響が出ているとのこと。
特に、日本国内でコロナウイルスの感染者が激増した4~5月の春頃はマダイの旬。養殖業者から見ると、出荷ピークの時期に「天災」と言える大打撃を受ける形となりました。
目的
このような問題を受けて立ち上がったのが、寿司業界の雄「くら寿司」。行き場を失ったマダイを仕入れ、消費者に喜んでもらえる寿司ネタを開発する。これが今回の取り組みの大きな目的です。
新メニューに期待
消費者として気になるのは、「マダイ200tがどのようなメニューになるのか?」というところですよね。回転寿司は「リーズナブルに寿司を食べることができる」ということに加えて「豊富なメニューがある」というのも魅力の1つなのではないでしょうか。
くら寿司によると、仕入れたマダイは、冷凍技術が生きる「熟成」「炙り」などのメニューとして商品化を目指しているとのこと。熟成マダイに炙りマダイ・・・。実際に早く食べてみたいですね。