6月17日、泉南市の波止へ向かった。当初は夕マヅメから日付が変わるくらいまでと考えていたが、最終的に朝まで通しで釣ることになった。その理由は、残念ながら魚の活性が高かったからではなく、むしろその逆、だったのだが・・。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
泉南でライトゲーム
今回向かったポイントは、片側がテトラになった場所で、潮通しのいい水道もあり、いろいろな場所にライトゲームで狙える魚が付いている。この場所は、昨年見つけたポイントだ。秋のシーズン真っ盛りには、いつ来ても魚の活性が高く、潮止まりでもテトラ際を通せばメバル、波止からはアジが止まらないこともある。
しかし、大阪市内からはかなり遠いのが難点で、冬はパタッと行かなくなっていた。また、春は泉南には行けなかったので、訪れるのは実に半年ぶりくらいだ。「半年」という時間が経てば、何かがかわっているかもしれないとは考えるべきだった。
当日の状況
当日の状況は、以下のようなもの。
・釣行日時 6月17日夕方~18日早朝
・天候 晴れ
・潮回り 若潮
梅雨の晴れ間。これならテトラにも乗れるので、夕方から夜にかけてはアジを狙い、その後はメバルに狙いをかえる、という戦略を考えていた。日中のまだ日が高いうちにポイントにイン。波止の際やテトラの穴にリグを入れてちょんちょんと誘っていたら、おなじみのガシラ(カサゴ)が次々とヒットした。さすがにこの時期、ガシラの活性は高い。年中釣れる魚だが、暑い時期は日中でも反応してくれるので、退屈せずに夕マヅメまでの時間を潰せる。
予想外の『藻の繁殖』
しかし、そうして迎えた夕マヅメ。いつものポイントで、まさかのアジの回遊がない。ほとんど何のアタリすらなく、一瞬だけ小さい群れに当たって数匹だけ獲ったが、後は続かず。期待していた分、ガックリときた。
また、「波止・テトラ際の藻の繁茂」が予想外。これが今回、最後の最後まで釣りを難しくした要因となった。魚がヒットしても、寄せてくる途中で藻に潜られてしまう。そういえば、夏のこの時期は、どこに行ってもそうなのだ。すっかりと忘れていた。
満潮時にメバル連打
残念ながら、あまりいい潮ではなかったらしい。干潮で潮が下がりきってからは、しばらく何も釣れない時間が続いた。しかし、大阪市内から高速道路を使って1時間半かけて来て、これでは帰れない。ここは腹を据えて、久々に朝まで通しで釣ってやることにした。翌日は、私がこれまでいい思いをしてきた「ラッキー潮」の中潮。きっと釣れるはずだ。
真夜中の干潮潮止まりの時間は、車に引き揚げて仮眠してもよかったわけだが、そこまで退屈しない程度には、ガシラがポツポツと釣れてくれた。どうやら泉南のガシラはこのような激渋条件でも、時間を問わず活性が高い。時期が時期なので、サイズは小さいものだが、ガシラ釣りをしながら、藻をかわせる場所も見つけられて、そこに座り込んだ。
朝、4時頃に満潮を迎えた。夜が白けてくる頃合いだ。しかしここでもアジの回遊はない…。これはすっぱりと見切ることにする。
徐々に空が明るくなってきて、藻際を見た際にふと気付いた。潮位が上がって、藻が水面下に沈んでいる。では、テトラ際の藻の手前側を通せば、もしかすると…。読み通り、メバルが立て続けに出た。
藻の際でブルーバックをキャッチ
藻が絡むポイントでは、アジング設定でいつも緩めにしがちなリールのドラグも、やはり強めにしなければならない。ほとんどフルロック近くすると、魚を掛けてからも、藻に潜られる失敗がなくなった。ラインもPEライン0.3号と、私がライトゲームで最強とする号数。さすがにこれくらいの強さがあると、魚に少し暴れられたくらいでは負けない。
そして、思わぬ収穫が。メバルの中でも回遊性が強く、体色が微妙に青みがかっている「ブルーバック」をゲットしたのだ。一般的なメバルは大体居付きで、テトラや波止際にじっと身を潜めて目の前にくる小魚や小エビなどを食べているが、「ブルーバック」は潮に乗って回遊して、積極的にベイトを捕食する。筋肉質で、身が引き締まっており、小型でも引きがすごい。
根魚類は棲む場所によって体色が違うが、回遊性のブルーバックは、沖合の表層を泳いでいるためか?体色が青っぽい。メバルの中でも、特別な存在だ。
今後の展望
狙いだったアジは数匹。ガシラは大量に釣れ、メバルはそこそこ。しかしブルーバックという珍しいターゲットを朝マヅメに獲れたので、総合で、まあ合格点といったところである。
私が愛するアジのシーズンがくるまでは、まだ時間がかかるようだ。ただガシラの反応はいいので、もっと潮回りのいい日にもう一度行きたいと思う。また、次は長めのロッドで、うまく藻をかわしながら釣りをして、さらに良型のブルーバックと、数釣りを狙いたい。
<井上海生/TSURINEWS・WEBライター>
泉南市