春は産卵前の大型イサギが狙えるシーズン。好機到来に先がけ船のイサギ釣りをピックアップ、この釣りに精通した大西満さんに解説してもらった。習性やタックル、釣り方などの基本情報に、釣果を得るためのワンポイントアドバイスまで、入門者の知りたい情報を満載!ぜひ参考に挑戦しよう!
釣っても食べてもおいしいイサギ
「むぎわらイサギ」の言葉があるが、イサギは麦の収穫期に身に脂が乗り、最もおいしくなる魚。
また、産卵期を控えて礁の上に群がるからたくさん釣れ、それらのことからこの言葉が生まれたようだ。
イサギは淡泊な白身で刺し身、塩焼き、煮付け、そのほかどんな料理にも合うが、産卵前のパンパンに腹が膨らんだイサギは特に珍重される。
もちろん身も真子もおいしいが、特に白子は軽く湯引きしてポン酢でいただくとたまならい味。
イサギは比較的成長が遅く、20cmで二歳、25cmで三歳(魚体に縦縞があり猪の小型になぞらえてウリボウと呼ばれる)、30cmで四歳と言われるが、40cmを超すとジャンボイサギと呼ばれ、何歳なのか分からない。
50cm級チヌの〝年無し〟、グレの60cm級に匹敵するステイタスなのだ。
そして、イサギは大きくなるほどおいしい。
群れに当たれば簡単にたくさん釣れることから、船釣り入門にはもってこいの釣りでもある。
もし、船釣りを始めようと思っている人なら、イサギ釣りから入門すると、簡単にどっぷりと釣りの面白さにはまってしまうだろう。
関西では和歌山・日ノ岬沖から南へかけて釣り場がたくさんある。
各港からイサギ釣りの乗合船がたくさん出ており、4月に入ると各船ともにイサギを狙うようになる。
見老津沖や日ノ岬沖のジャンボイサギ釣りは有名だが、他の釣り場でも30cmオーバーの良型イサギが30尾、50尾と数釣れるから、この釣りには30L以上の大型クーラーが必要になる。
和歌山県より少し遅れて5月に入ると、三重県鳥羽周辺の釣り場でもイサギが数釣れるようになる。
各船ともにイカリを入れて釣る「カカリ釣り」が多いが、見老津のようにポイントの上で船を流しながら釣る「流し釣り」もあり、釣り方やエサ、仕掛けのさばき方などに少し違いが出るが、ここでは一般的な「カカリ釣り」で話を進めることにする。
イサギ用のカカリ釣り
サオは2.4~2.7mの胴調子50号クラスがいい。
サオ受けは必携。
中型電動リールにミチイトはPEライン2~3号(これ以上太いと周囲とオマツリの可能性が高くなる)を150m以上巻いておく。
先イトはフロロカーボンライン6号を2m、オルブライトノットで接続しておくとテンビンへの結びが楽だ。
電車結びでもかなりの強度があるから、試してみるといい。
PEラインは直接結ぶと極端に強度が落ちる(約30~40%に)から、あらかじめ準備しておくこと。
電源は船にある場合もあるが、バッテリー持参が無難だろう。
仕掛けは主として市販の「イサギ船釣り吹き流し」と呼ばれる完成品でよく、ハリス3~4号3~4本バリ。
たいてい、手前のハリはスキン巻き擬餌バリで先のハリ1、2本はオキアミを付けるために伊勢尼、アジバリなどの7号程度のものになっている。
さしエサは持参が原則。
さしエサ用の加工オキアミMでよく、それ専用の小型クーラーに氷を入れて保存すると、最後までしっかりしたさしエサが使えるからありがたい。
特に気温が上がる時期には重宝だ。
私はさしエサを小出しにするために、市販の木製エサ箱(写真)の下側にプラスチックまな板を切って釘で打ち付け、船縁にサオ受けで押さえて止めるようにしている。
木箱はやや保冷効果もあるからオキアミが軟らかくなりにくいし、硬質発砲を細く切って貼り付けておくと、仕掛けを上げたときにハリを止めることもできるから便利だ。
テンビンは50cm。
先にウレタンクッション1.5mm50cmを取り付けておくと、イサギの口切れが少ない。
他に、釣り上げたイサギをシメてクーラーに入れるまでの間、入れておくためのバッカン(40cm)を持っていくと便利だ。
イサギは唇が切れやすく、水際で落とすことも多いから、簡単なマイタモを持参すると悔しい思いをしなくてすむ。
日ノ岬沖ではメジロが回ってきて、釣れたイサギに食いつき、仕掛けを切られることが多かった。
今年はどうか分からないが、念のために10号以上のハリスの「食わせサビキ」を持っておくと、うまくすればメジロがゲットできるかも……。
ほとんどの船がアミエビをまきエサに使うから、中型アミカゴとオモリ(たいてい100~120号)がいるが、抵抗の少ない鉄仮面がオマツリも少なく、使いやすい。
なお、オマツリ、メジロの襲来などでロスすることもあるから、テンビンとともに予備が必要だ。
<大西 満/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関西版』2018年4月13日号に掲載された記事を再編集したものになります。