伊藤さとしのプライムフィッシング【6月に行きたい野釣り場4選:第1回】

伊藤さとしのプライムフィッシング【6月に行きたい野釣り場4選:第1回】

テーマは「6月に行きたい野釣り場4選」。毎回1カ所のフィールドに焦点を当て、釣り方解説などをしてもらう。まずは山梨県富士河口湖町にある西湖での陸っぱりについてだ。

(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

アバター画像 TSURINEWS編集部

淡水の釣り ヘラブナ釣り

西湖のポイント紹介

西湖での陸っぱりポイントは、近くに駐車が可能で、しかも岸際からある程度の水深がある所がメインになる。

代表的なポイントは、広めの駐車場が整備されている『根場』と『津原(鵜の木)』だろう。『モウトドの鼻~小ジラ』の一部と『松屋』前周辺、それと西湖漁協の駐車場がある『長崎』周辺も人気ポイントだ。舟釣りで有名な『前浜』や『クワルビ』といった浜辺は遠浅地形なので、陸釣りには向かない。

どこに入るかは風向きを考えて決めるといい。できれば背後からの風で釣りたいが、同湖では湖の地形に沿って吹き抜けることが多い。よって横風か斜め前から風を受けるポイントがほとんど。

またこの時期は西風が吹くことが多いので、湖東端の『鵜の木』には海のような高波が押し寄せることもある。ただしこんな状態になると、クリアレイクでは好都合とされる”濁り”が発生して爆釣が期待できる。

伊藤さとしのプライムフィッシング【6月に行きたい野釣り場4選:第1回】底釣りがメイン(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

陸っぱりポイントのほとんどが溶岩帯。しかも底はカケアガリなので、平坦な底での底釣りはまず無理。しかも根掛かりだらけの場所もあるので、釣り台を設置する前に1本バリで底を探り、できるだけ掛かりの少ない地形と竿の長さを選択しよう。

ただし探る時点では掛かりがなくても、風流れが出始めたら掛かりだらけになることも多々ある。そうなったら竿の長さを替えたり、釣り台の位置をズラすなどして対処したい。

基本は底釣り一択

釣り方はほぼ底釣りがメインで、一部のドン深ポイントなら宙釣りも可能。またエサ打ち点に魚影が見えるほど魚が寄ってきた場合でも、宙釣りが可能だ。

ただしクリアレイクゆえにベタナギだとエサが水中で丸見えになるので、魚は近くに寄るのに食ってこないジレンマに襲われることも少なくない。素直に食わせたいなら、見える魚は無視して底釣り一択で挑むほうがベターだ。

だとするならバランスの底釣りがメインになるが、流れが出るとそうもいかない。仕掛けが止まっていれば根掛かりを避けられることも多いので、ハリスオモリやライトドボン仕掛けは準備しておきたい。

伊藤さとしのタックル例とエサは下図参照。

伊藤さとしのプライムフィッシング【6月に行きたい野釣り場4選:第1回】タックル図(作図:週刊へらニュース 伊藤さとし)

地形や水深にもよっても変わるが竿は13~21尺までで、狙う水深は2~3本前後が妥当だろう。ただし透明度が低かったり濁りが入ると、魚は浅場を回遊し始めることが多い。そうなると、さらに手前(浅場)のカケアガリを狙うのも面白い。

流れと風波が出やすいことから、高浮力でグラスまたはPCのムクトップが付いた底釣り、または深宙用のウキが西湖では合っている。

振り込みのコツ

ほとんどの底がカケアガリなので、エサ打ち点のズレがそのままナジミ幅の変化として現れてしまうので、できるだけピンポイントなエサ打ちが理想だ。できれば、やや沖の落とし込み(ウキが立つ位置の50cmほど沖にオモリを着水させる)を推奨したいが、それが無理なら次の方法で振り込んでみよう。

(1)振り切り気味で打ち込む。

(2)オモリが着水したら竿尻を手前に引く。

(3)トップのナジミ込み直前で竿尻を元の位置に戻す。

(4)これらの作業を繰り返して、アタリが出やすいナジミ幅を探す。手前に竿を引く量が多くて竿尻を戻すタイミングが遅いほどエサは手前に着底するし、その逆なら沖になる。この原理を利用して、少しでも触りとアタリが連動するナジミ幅を見つけてみよう。

なおエサ打ち点は、なにも竿掛け正面とは限らない。ナジミ幅と同様に、アタリが出やすい底(エサの着底点)を探すことも底釣りではとても重要な作業になるだろう。

両グルダンゴがオススメ

エサは両ダンゴをメインに、当日の活性に応じてグルテンセットや両グルダンゴを使い分ける。選択の目安はアタリの出る早さだろう。触ってすぐに落とすなら両ダンゴのままでいいし、待ち釣り気味ならセットにする。

私がオススメしたいのは、後述した両グルダンゴだ。近年の西湖の魚はエサ慣れし始めたせいだろうか、重いエサには反応が悪い時がある。

しかし底や風流れの影響で、待ち釣りがしたくてもできない状況下にもなりやすい。そうなるとある程度のバラケ性(集魚性)があって、比重も両ダンゴほど重くないグルダンゴが効果を発揮する場面が少なくない。

なお作る際は粉のうちに混ぜるのではなく、ダンゴとグルテンをそれぞれ別に作ってマーブル状に合体させるほうが、より効果を発揮しやすい。

※写真はすべて、以前の釣行取材時に撮影したもの

<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
西湖
入釣料:600円(店売り)、1000円(現場売り)。釣り台必携。
この記事は『週刊へらニュース版』2020年6月5日号に掲載された記事を再編集したものになります。