出刃包丁に黒錆加工を施してみた。真っ黒の出刃包丁を期待していたのに、材質を読み間違えてトホホな結果になったが、気になっていた部分は黒錆処理ができたので、よしとしよう。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・中西)
出刃包丁のメンテナンス
我が家の出刃包丁の状態がふと気になった。ここのところ出番がなくて放置したままだったのだ。
確認すると、やはり切れ味はかなり悪くなっている。そして、あちこちに錆が浮いていた。釣りにも行けないし、たまには研いでメンテナンスでもしてやることにした。ついでに、赤錆とおさらばするために、黒錆加工(黒染め)をすることにした。
黒錆とは
専門的なことを省いて大まかに説明すると、黒錆とは鉄の表面にできる酸化膜のことで、放っておくと自然に発生する一般的な赤錆とは違い、自然に発生することはないのが特徴。鉄の表面にあらかじめ黒錆を発生させることにより、赤錆の付着を予防することができるのだ。
以前ナイフに施したことがあるのだが、施してから5年ほどたっているにもかかわらず、赤錆が一切出ていないので、実績は十分だ。
とはいえ、注意すべきこともある。それはレモンなどの柑橘類を切ると、その酸で被膜が溶けてしまうらしいのだ。幸い出刃包丁でレモンを切ることはなさそうなので、これは気にしなくていいだろう。そしてもう一つは、研ぐと落ちてしまうというところ。しかし、刃はそもそも結構な頻度で研ぐことになるので、赤さびもそれほど気にならない部分。なので、こちらも気にせず加工することにした。
加工前の状態
施工前に状態を確認すると、ほぼ放置状態にもかかわらず、表は錆がポツポツといったところ。とはいえ、このポツポツが結構気になる。裏は、「スキ」の部分に結構頑固な錆が発生していて、指で触れるとざらざらしている。今回黒錆加工を決めたのは、この部分の錆とおさらばしたかったのが一番の理由だ。
黒錆加工に必要な道具類
・包丁
・耐水サンドペーパー
・ペットボトルの空き容器(500ml)
・お酢
・紅茶ティーバッグ2個
黒錆加工の手順
1.まず錆をサンドペーパーで磨き落とす。
2.紅茶2パックを500mlのお湯で煮出す。
3.紅茶が少し冷めたらペットボトルに移し、8分目まで注ぐ。残りはお酢でいっぱいになるまで満たし、かき混ぜる。
4.包丁を浸け錆が発生するのを待つ。泡が出て反応しているのがわかる。
5.半日ほど置いたら黒錆加工は完了。
6.流水で刃についた液体を洗い流す。
7.ドライヤーで乾かす。
8.食用油を塗り込む。
最後に
完成して気づいたのだが、和包丁は部位ごとに材質が違うため、均等に黒錆しないということ……。特に「平」の部分はあまり黒錆加工の前後で変化が見られなかった。とはいえ、一番錆が気になっていた「裏スキ」はまずまずきれいに黒く錆びていたので、よしとしたい。
※包丁を傷める可能性もあるので、自己責任でお願いします。
<中西/TSURINEWS関西編集部>