釣りの大敵は『風』? 知っておきたい陸っぱりでの対処法5選

釣りの大敵は『風』? 知っておきたい陸っぱりでの対処法5選

釣りの悪条件はさまざまだが、中でも厄介なのは「風」だ。特に投げ釣りやフカセ釣り、ルアーなど、仕掛けを投げ込む際に、風が強いと仕掛けが流されたり、飛ばなかったり、道糸が風の影響を受けるなどいろいろな釣りにくさに繋がってくる。そこで今回は、陸っぱりでの風対策を紹介したい。

(アイキャッチ画像提供:photoAC)

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風が吹くと釣りにくい理由

釣りはたいていの場合、竿先から仕掛けまでは道糸などのラインで繋がるもの。遠くへ投げて釣るほど、風にさらされているラインの部分が長くなり、抵抗も大きくなる。

仕掛けをせっかく投入したのに、道糸が風に吹かれて大きく弛み、その先にある仕掛けを引っ張ってしまう。つまり、狙ったポイントから仕掛けが大きくズレてしまう事になる。

また、ライトゲームなどでは仕掛け(リグ)も軽いため、風が吹く事によって、まったく飛ばなかったり、仕掛けを思ったレンジまで沈める事ができなくなったりと、不都合は多い。まさに風は釣りにおける悪条件の代表だ。

メリットになるシーンも

上記のように風が吹くと釣りにくいのはもちろんなのだが、釣りをする上では良い事もある。たとえば、磯のフカセ釣りに代表される、風による波立ちである。風がなくウネリもないベタ凪状態では、釣り座から水中も丸見えになって、泳いでいる魚もよく見える。

逆にいうと、水中で泳ぐ魚からも釣り人が見えていて、警戒されてしまう。風によって波が出て、磯に当たればサラシが発生するが、真っ白なサラシやサラシによる小さな泡、そして水面の波立ちによって、水中の魚から釣り人の姿を見えにくくしてくれる役目もある。サラシの発生しない波止釣りでも、風による波立ちは魚の警戒心を低くしてくれるありがたい存在でもあるのだ。

釣りに行かない選択も

風とうまく付き合うのが、釣果をアップさせてくれるコツとはいえ、やはり風が吹く状況下では釣りにくい。釣行日程を移動させられるなど、余裕があり、「やはり風はイヤ」という人なら、天気予報とにらめっこして、風のない日を選んで釣行するのも手だ。

ただ、釣りに行ける日が限られている場合は、ある程度の風だと釣りに出かける事も多いだろう。そこで、ここでは安全が担保されるレベルにおいて、風の吹く条件下での対処法をいくつか紹介したい。

1.エリアを考える

夏場なら南の風、冬場なら北寄りの季節風など、その時期によって定番となる風が吹く事は多い。これはたとえば、冬場の季節風などは大陸にある高気圧から、日本の南海上にある低気圧へ吹き込む風、つまり西高東低といわれる冬型の気圧配置である場合が多い。

そんな場合は、太平洋側の南に面したエリアは、いわば日本列島が風を遮蔽してくれるエリアも多いので、風が吹かなかったり、かなり弱まる事もよくある。
以上のような考えた方で天気予報をしっかりと確かめて、出かける方向(エリア)を考えてみよう。関西でいうと、南の風を避けるなら京都や兵庫の日本海側、北寄りの風を避けるなら和歌山の南紀方面、東風なら大阪湾岸などである。

釣りの大敵は『風』? 知っておきたい陸っぱりでの対処法5選風裏の港で竿を出す(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

また、深い入り組んだ湾など、三方または四方を山で囲まれたような全天候型の釣り場もあるので、地形を調べてみると案外釣りに出かけやすい釣り場は多い。
気を付けたいのは、強烈な爆風状態。「大風に風裏なし」といわれるように、陸などが風をシャットアウトしてくれるのはある程度までで、あまりに風が強ければ、陸を乗り越えて吹き下ろしてきたり、回り込んできたりする場合もある。

2.遮蔽物の陰を利用

波止釣りなどでは高い防潮堤があったり、波止の外向きが高くなっていたり、その逆もある。そんな波止なら、高い壁が風をシャットアウトしてくれるので、風向きによっては風などないかのように釣りをする事ができる。また、釣り座のすぐ後ろが高くなっていると、吹き下ろす風もあまり気にせず釣りができる。

これは防潮堤だけに限らず、小さな遮蔽物でいうと、灯台の陰、倉庫など建物の陰なども利用できる。ただ、小さな遮蔽物ほど風が強くなると回り込んだりして風裏がなくなるので注意。

3.追い風の場所を探す

風の中での釣りでも、難点を利点にかえる方法がある。それは風下を向いて釣りをする方法だ。これなら風に乗せてのロングキャストも楽ちんだ。ちなみに、もっとも釣りにくいのは横風である。逆に風上に向いてまっすぐ風に平行にキャストする事ができれば、案外風の影響を受けにくい。つまり、釣っている時のラインの角度が、風と平行かそうでないかで釣りにくさが決まってくる。

漁港などの場合、竿を出せる方向が多彩な場合が多い。そのような港を選ぶと風がどちらから吹いていても、竿出しの方向は限られるが、背中から風を受ける釣り座を選ぶ事ができる。

釣りの大敵は『風』? 知っておきたい陸っぱりでの対処法5選風下に向かって投げる(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

下の図のように、斜めに風が吹いている場合も、実際に仕掛けを投入したいポイントが釣り座からまっすぐ風下になるように釣り座を決定すると良い。

釣りの大敵は『風』? 知っておきたい陸っぱりでの対処法5選釣り座を考える(作図:TSURINEWS関西編集部・松村)

4.低い弾道で道糸を水面に

どうしても横や斜めから風を受けるような状況下で釣りをする場合には、仕掛けの投入に気を付けたい。通常、投げ釣りなどでは、やや高めの弾道(45~60度)で投げるのがもっとも飛距離が伸びるといわれている。弾道を低くするほど飛距離が落ちてくるのだが、強風下ではどうだろう。

高い弾道で投げると、上に上がる分、道糸が出る距離が長くなる。という事はそれだけ風の影響を受ける部分が大きくなり、風の抵抗が大きくなる。

やや飛距離を犠牲にしても、低い弾道で投げる事で、道糸が受ける風の影響を最小限に止めておくと良い。結果的に風によって流されにくい分、仕掛けの落ち着く距離は長くなる。

また、風の影響をまともに受けるのは、空中にある道糸、ラインだ。仕掛けを投入した後、ラインが空中にとどまっていれば、当然風の抵抗を受ける。風の影響を最小限にするには、仕掛けが着水したらすぐに竿先を下げて、ラインを水面に浸けてしまえば良い。

釣りの大敵は『風』? 知っておきたい陸っぱりでの対処法5選強風下での仕掛け投入(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

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