ムギイカの季節はすでに始まっているようだが、盛期は5月ぐらいから。今回は、イカメタルでの狙い方について、タックルから具体的な釣り方まで解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・土屋英孝)
実釣について
さて船の予約と道具の準備を済ませたら、実釣について。
乗船場に着いたら、くじ引きなどで釣り座が決まる。両隣の釣り人とのあいさつも大切なこと。ライン絡みのオマツリのときは協力し合って、素早い復帰を心がけよう。ポイントに着くまでのクルージングで準備を完璧にしたいのだが、できるだけルアーがブラブラしないようにしよう。ケガやロッドの破損を防ぎたい。
そして、船長からスタートの合図が出る。「水深120mで80mぐらいまでをイカメタル15号統一で探ってください」といったような指示が出るので、これを守って釣り開始となる。
これからの時期、徐々に日が長くなり、照明の効果も遅くなるが、明るい時間から船中第1号を狙っても良し、ゆっくり開始するも良しだ。
開始後は「左舷60mで1匹上がりました~」とかアナウンスがあったなら、素早くそのタナをダイレクトに探ろう。そして、そのタナを探るにもいくつかのテクニックがある。
誘いのパターン
まだまだ私も教えてもらうことも多いが、何種類かの誘い方を書いてみたい。まずはヒットレンジ周辺を探るとき、上から落とし込むか、下から探り上げるか。
誘い上げ
取りあえずリールのカウンターを確認して、誘い上げる方法を1つ。まずはアナウンスのあった水深まで落とし込み、その辺りをロッドの上げ下げの誘いでストップを入れてアタリを取る。
このときティップが軽く戻ったり入ったりしたら、素早くアワセを入れるか巻きアワセをする。それでもヒットがなければ、1シャクリにつきリール1回転のワンピッチジャークで、2~3mぐらい巻き上げて数秒止める。
アワセを入れてもヒットしない場合は、さらに細かくリール半回転で1シャクリのハーフピッチジャークで、ヒットするまでスピードを調整しながら巻き続けてみる。これはムギイカの群れの大きさにもよるが、やる気のある群れであれば、ポンポンとヒットすることが多く、こんなときは大釣りの可能性もある。
とにかくムギイカの旺盛なジャレつきに対して、間を与えながら絶えずルアーを動かしていると、どんどんと活性が上がることが多いのだ。
誘い下げ
もう1つの誘い下げの場合は、ヒットレンジのやや上からジワッジワッとアタリダナへ落とし込んでいく。ロッドを振り上げた後、ストンと素早くティップを下げてティップの変化を待つ。その時プンとロッドがお辞儀したり、戻ったりするアタリをアワせる。
これを繰り返してアタリが出ない場合は、さらに2~3mぐらいずつサミングしながら落とし込んだり、サオ1本ずつフリーで素早く落としたりを繰り返す。とにかくこのムギイカは好奇心と食欲が大変旺盛で、活発にエサを追うことで知られている元気印なのだ。
誘い上げ、誘い下げでヒットした際にはダブルヒットを狙って掛けられるようになれば、釣果もグンと伸びサオ頭も夢ではない。まだまだいろんな攻略法が出てくるに違いないが、これらの誘いを駆使して小さな好敵手と知恵比べをしてみてはどうだろう。
食味抜群のムギイカ
最後に釣ったムギイカの食べ方はいろいろあるが、私のオススメはプリップリの「イカめし」だ。これから気温もどんどんと高くなるので、氷のたくさん入ったクーラーを用意する。まずは船上で釣った小さなムギイカを甘辛の沖漬けのタレに漬け込み、ジップロックやタッパーで持ち帰る。
しっかりと漬け込んだら、腹を出した胴の中に7分目ほどの量のもち米と、小さく切ったゲソなどをお好みで入れて、好みの濃さのタレにヒタヒタにして炊飯器で炊く。出来上がれば大変おいしい「イカめし」の出来上がりだ。その他には一夜干しやサトイモと煮たりしても簡単でおいしい。
ただし、刺し身で食べる場合のみ、いったんしっかりと冷凍することをお勧めする。それはスルメイカのように大きくなると、アニサキス(線状の寄生虫で激しい腹痛を起こす)が入り込んでいることが多く、生食では注意が必要だ。
<週刊つりニュース中部版 APC・土屋英孝/TSURINEWS編>