釣り新聞などで、春になると紙面をにぎわせていたのが、滋賀・琵琶湖の春の風物詩ともいえる、モロコ釣り。
憧れのホンモロコ
小さいころから釣りをしてきた私、昔、抱卵したホンモロコを釣りたくて、食べたくて通っていた。
小、中学生のころだ。
しかし、ホンモロコは釣れなかった。
釣れても、地モロコという、スゴモロコだった。
琵琶湖の小物釣りは、環境の悪化などから、ホンモロコは激減し、釣れなくなって遠ざかっていた。
しかし、数年前から、ホンモロコが釣れ出すというニュースが入ってきて、いつかは、あの憧れたホンモロコの思いが心の底にあった。
湖東の長命寺川で釣れ出したという情報と休みとが重なり、3月15日、昼からの釣りになるが突撃した。
あの頃やっていたウキ釣りもしたいが、てっとり早く数が釣れるのは、ブッ込みと言うか投げ釣りと聞いて、フィッシングエイトにて専用の5本バリ仕掛けを購入。
ついでにアカムシも仕入れた。
アカムシを触るのも何十年ぶりだろうか。
ポイントに着くと点々と釣り人がいる。
空いた隙間を見つけ、しかも、産卵場となるアシの際に陣取った。
サオは、メバリング用、リールは小型スピニングリール。
ラインはPEラインの0.6号、オモリ3号をぶら下げた。
川の真ん中めがけて投げ込む
準備完了、川の真ん中めがけて投げ込む。
障害物はなく、ゴトゴトという感じは小石底。
砂地の所も感じられる。
イトふけを取り、バッカンの中に突っ込んでサオを立ててアタリを待つ。
ビビビビビッ。
小刻みなアタリ。
アワせるが、乗った感がない。
またイトふけを取り、アタリを待つ。
もう1本のサオを用意しつつサオ先を見ると、ゴゴゴゴンと力強いアタリ。
ところが、また乗った感がない。
再度アタリを待つ。
5本バリにエサが残っていると思ってのことだ。
すると、先ほどのゴゴゴゴンというアタリ。
続いて、乗りましたよと、魚の暴れる感じが伝わる。
はたして仕掛けについているのは、ホンモロコなのか。
水面を切って現れた2匹の魚。
ひょっとして、本命?抜き上げると、やっぱり本命のホンモロコだ。
うわーっ!1投目から本命や。
何十年も前に釣りたかった魚が、ついに、目の前に、釣ったぞ!
ホンモロコごときに、何をそこまで……、と感じている人もいるだろう。
でも、私にとっては、そこまで感動する魚なのだ。
手に取って魚の写真を。
ぶら下げての写真も。
あまり時間をかけると、死んでしまうかも。
早速水汲みバケツに水を入れ、泳がせておく。
これなら結構数が釣れるかな、との思いはあっけなく敗れ、沈黙の時間が流れる。
隣のウキ釣りするおじさんに話を聞く。
「午前10時に入り、退屈しない程度にアタリはある。手前のカケアガリを狙っている」と言う。
30分に1回の割合でアタリがある感じ。
夕方までやると決めていたので、あちこち投げて探る。
アタリのあるところは、連続でアタる。
群れなのか、たまたまなのか、初めて釣ったので、その辺は謎のままだ。
最後にアシの際を攻める。
イトふけを取るや否や、ゴゴゴゴンのアタリ。
キュッとアワせて待つと連続でアタリ。
まずトリプル、次はダブルで上ってきた。
やはり探りづらいポイントは残っているという感じかな。
午後1時30分から4時間遊ばせてもらって19匹のホンモロコをゲット。
まだ釣れ出したばかりで抱卵しているかは不明だが、琵琶湖から産卵のためにソ上してきたホンモロコは素焼きで食べるのが一番うまい、あー、楽しみだ。
<安田明彦/TSURINEWS編>
名神高速竜王ICを下り国道477号を左折、県道26号に入り
湖岸道路沿いを進む。