春はマダイの乗っ込みシーズン。美しい良型マダイをゲットするのに最も適した季節の到来である。そこで今週のつり作戦は、オキアミをエサにテンビンを使って狙うコマセ釣りのあれこれを、海釣りのエキスパート・今井浩次さんに解説してもらった。難しいイメージのあるマダイだが、この時期は初心者でも釣果有望!ぜひ本稿を参考に、マダイ釣りに挑戦しよう!
釣り方
【仕掛けの投入】
上々の天気に恵まれて定刻通りに出船したら、ポイントに到着するまでにサオ受けなどをセットし、いつでも仕掛けが下ろせるように準備しておこう。
まきエサカゴにはオキアミを八分ぐらい詰め、まきエサが出過ぎないよう調節しておく。
船長の合図が出たら仕掛けを投入するが、さしエサから先に放り込んでしまうと、潮が緩いときなどテンビンやミチイトにハリスがよく絡むので、先にテンビンを放り込み、ハリスを手の中で滑らせながら落とし込んでいき、最後にさしエサを放り込むと絡みにくい。
ただ、2本バリ仕掛けの場合は、エダバリが手に刺さらないよう注意しながら下ろすことだ。
【タナ】
マダイは、季節やその日の潮、天気などによって泳層(タナ)をかえる。
そのことを熟知している船長が、「底から何m上げてやってみて」と、指示してくれるから、まずそれに従うことだ。
タナは、底から8m上と指示されたら、指示ダナよりハリスの長さ分だけ余分に仕掛けを下ろし、すぐにハリスの長さの半分だけ巻き上げ、そのタナでまずサオをあおって1回目のまきエサをまく。
10秒ほど待ってサオ先に変化がなければ、急いで指示ダナまで巻き上げ、続いては2回目のまきエサをまく。
このようにまきエサを分散してまいておくと、まきエサとさしエサを同調させやすいし、タナが広く探れるというメリットがある。
誘い方
【ゆっくりサオをあおって誘う方法】
あとは2、3分毎にサオを大きくあおってまきエサをまき、ゆっくりサオを戻しながらさしエサを落としていき、マダイを誘う。
この動作を3、4回繰り返したら、まきエサはほとんどなくなっているから、すぐに仕掛けを巻き上げてまきエサを詰め直し再び打ち返す。
仕掛けを打ち返すときに必ずさしエサの有無を確認し、さしエサが取られているようなら1m刻みでタナを上げていき、さしエサが残るタナまで上げることだ。
大型のマダイは必ずエサ取りがいるタナより上にいるからだ。
まきエサはまきすぎないことと、誘いも頻繁にはかけない方がいい。
盛期になると小型のマダイ(チャリコ)などが増え、誘いをかけ過ぎると大型より小型のマダイが先に反応してさしエサに飛びついてくるからだ。
ゆっくりサオをあおって誘う方法とは反対に、誘い下げも効果的だ。
【誘い下げ】
指示ダナより2、3m上でまずまきエサをまき、リールをフリーにしてスプールに指を当て、上方からエサが落ちてくる様をイメージしながら、ゆっくりと落とし込んでいく。
このとき、さしエサが先行しその後ろをまきエサがゆっくり追いかけるような形で落ちていくのが理想的だ。
こうして指示ダナよりさらに1ヒロぐらい下まで落とし込んでもアタリがなければ、再び引き上げて同じ動作を繰り返す。
最後に
マダイのアタリは、はっきりしているので誰にでも分かる。
青物のように一気に持ち込むのではなく、節をつけたように何度も引くので、マダイだと分かったら一度、強くアワせておいて、しっかりフッキングさせてからやり取りを始めるとバラシが少ない。
もし、大型だと分かったら、ドラグを少し緩めにして慎重に取り込むことだ。