【木曽三川2020】開幕直前『上りマダカ』解説 現在の状況と今後の展望

【木曽三川2020】開幕直前『上りマダカ』解説 現在の状況と今後の展望

春先の釣りとして私が真っ先に思い浮かべるのは、木曽三川の『上りマダカ』だ。今回は開幕に先駆け、現在の木曽三川の状況や今後の展望を紹介したいと思う。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・桑山卓久)

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木曽三川の状況

昨年秋から続く異常ともいえる暖かさの影響で、年が明けてからも順調にマダカやセイゴが釣れている。特に2月は、これまでにない水温の高さから、多くの釣り人が例年以上の釣果を残していた。もちろん、これらは昨年秋からの居残り組ということで夜釣りがメインだった。

また昨年秋から続く暖かさは、もう1つのびっくりニュースをもたらした。それは長良川河口堰(ぜき)における2月2日の稚アユの初ソ上だ。これは長良川河口堰において、平成7年から調査するなかで最も早いソ上だった。

それらのことから、油島(岐阜県海津市)では2月中旬から日中にマダカやセイゴが釣れだした。そして現在は昼夜ともに順調に釣果が出ている。2月から日中に釣れ始めたのは、これまでにない動きだ。

3月初旬現在、立田(愛知県愛西市)、油島地区では、稚アユのソ上をまだ肉眼では確認できていない。また釣り上げたマダカの胃袋の中に稚アユが入っていないことから、本格ソ上をうたうにはまだ少し早いようだ。

【木曽三川2020】開幕直前『上りマダカ』解説 現在の状況と今後の展望過去の「上りマダカ」釣果(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑山卓久)

『上りマダカ』釣り場

立田、油島地区では3月初旬現在、目立った稚アユのソ上は確認されていない。しかし、初ソ上から1カ月ちょっとたっていることで、数こそ少ないが早いものはこれらの地区にソ上してきていると思われる。

今後は稚アユの本格ソ上とともに上りマダカが開幕する。昨年秋から続くこの暖かさを考えると、よほどの水温低下がない限り、3月中旬から3月下旬までの大きな潮回りで立田、油島までソ上してくると思われる。

今年は山側の雪が少ない上に水温も高めに推移しているため、本格ソ上が始まれば一気に開幕を迎えるだろう。今後の状況に注視したい。

5月以降は、どちらの川も国道1号線周辺から上流が面白いだろう。もちろん河口付近でも釣れるが、日を追うごとにどんどん上流側が良くなる。これはマダカが稚アユを追ってソ上するため常に上流を意識しているからだ。今後は水温や稚アユの動向を注視しながら、ポイントを選択していくといいだろう。

『上りマダカ』の時間帯

上りマダカは、『水温』『稚アユ』をキーワードにしたい。つまり水温の安定するポイント、時間帯を選択することだ。またエサとなる稚アユの活動する時間帯を中心に釣りを組み立てるといい釣果が得られる。

例年、雪代の影響を強く受ける3月下旬から4月上旬のマダカ釣りは、顕著にこの傾向が見てとれる。今年は昨年以上に雪代が少なそうだが、そこはしっかり押さえておく必要があるだろう。

そしてエサ取りとなるハゼや小セイゴが釣れだすまでは、日中をメインに楽しむことができる。

また近年は居残り組も多数存在し、それらに関しては低水温でも掛かってくる。これは水深の浅い川で越冬することで低水温に慣れているからだろう。居残り組に関しては、夜行性なので日中よりも夜に軍配が上がる。

近年は昼のソ上組、夜の居残り組と昼夜を問わず楽しませてくれている。今年はこの状況が色濃く表れているが、これはひと昔前には考えられない春の動きだ。

【木曽三川2020】開幕直前『上りマダカ』解説 現在の状況と今後の展望昨年の立田下流での釣果(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑山卓久)

今後の木曽三川

先ほども述べたが、上りマダカは水温が上がって稚アユが活発に活動する日中を狙う。居残り組なら夜釣りも面白い。ハゼや小セイゴなどのエサ取りが動きだすと、日中はエサ取りの影響で釣りにならなくなるため、それ以降は夜釣りへと移行する必要がある。

また4月中旬以降にはテナガエビが活動を始める。マダカを釣りながらテナガエビを狙っても面白いだろう。ウナギの釣れだしもほぼ同時期。皆さんが待ち望むハゼの釣れだしは例年5月中旬以降だ。

ただ、昨年秋からの異常な暖かさもあるため、今年はどの釣りものも例年以上に早いスタートとなるかもしれない。それに関しては今後の状況を見守りたい。

春先のソ上マダカは一発大物狙いだ。掛かれば大抵40cm以上はある。例年マダカサイズが一番多く上がるのは、この時期だ。また日中に効率良くマダカが狙えるのも、この時期だけだ。

木曽川(立田)はトイレが完備され、バーベキュー広場やグラウンドゴルフも隣接している。レクリエーションの場としても最高だ。ぜひ皆さんでお出かけになってはいかがだろう。

<週刊つりニュース中部版 APC・桑山卓久/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
木曽川 立田
この記事は『週刊つりニュース中部版』2020年3月13日号に掲載された記事を再編集したものになります。