2019年を締めくくる12月下旬、ラスト釣行で長崎・平戸・早福港の幸漁丸へ行ってきた。その際、同船者によって大マサ25.87kgが釣り上げられたので、その様子を少しでもリアルに伝えたくて澤邊さん本人に話を伺った。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 APC・末永駿也)
幸漁丸でジギング釣行
釣行当日、幸漁丸が向かった朝イチのジギングポイントは水深70mからのカケアガリ。ポイントにはエサ釣りの船がとにかく多かった。幸先よくブリやヒラマサが釣れ、私にもヒラマサやブリがヒットした。
船が多すぎたのもあり、いったんそこのポイントを離れて時間を開けて再び同じポイントへ入って流していく。朝イチにいたエサ釣りの船のほとんどは別のポイントへ移っており、大マサが姿を見せたのは入り直してから数回流した後の出来事だった。
25.87kg大マサヒットの一部始終
以下、大マサをヒットさせた澤邊さんのコメントだ。
「光量が少ない時間帯はグローのジグでイカをイメージした演出でいこうと実釣前から決めてました。が、移動した先は落とし込みの船が密集。ということはイワシやアジを食ってるかも。初めはグローで2流しほどチェック、しかし反応なし。ほかの同乗者も反応がない模様。
ジグの選択
そこで、同舷の人たちのジグやジャーキングをチラチラ見ながら観察し、それらとは異なるアクションタイプのシルバーカラーにローテーションしました(内緒にしとこうかと思いましたが、打ち明けましょう!
マヅメ時やディープ用はケイムラ塗ってます。しかもケイムラ緑やケイムラ紫などカラーバリエーションを揃えてたりも。選んだのはケイムラ緑仕様でした)。
アタリは、まるで根が掛かり?
ジグを替えていざ再開。底まで沈めてはシャクリ上げを繰り返すうちにラインは前方へ。そして何度目かの着底後、回収の合図が鳴りました。巻き上げついでに速めのワンピッチジャーク。すると十数回目にゴンッ!と衝撃があり、反射的にアワセを入れるとみるみるサオ先が海面に向かいました。
そしてドラグがジーーーッ。少し前に隣の方が根掛かりしていたから「オレも?」と思う一方、「こんなに高速で船が流されとるかねえ?」という疑念も。根掛かり?魚?確証のないままロッドをゆっくり立てる。と、サオ先がグワングワンと小刻みにお辞儀している。
「うおー、魚やん!」ドラグ設定は10kgジャスト。なのにスプールが高速回転し、ラインはノンストップ。「なるほどヤバい奴やな!」とここでようやく把握。「回収時にヒットしたってことは水深が浅いかも。まずはラインを止めないと」
6ftの長めのロッドで強気にやり取り
最初に注意したのが根ズレによるラインブレーク。ラインを出されすぎるとその危険性が高まる。力加減に気をつけながらハンドドラグ、そしてイケそうなレベルまでドラグノブを徐々に締め込んでいく。そうしたらラインを40~50m出された後、疾走がおさまった。
次に配慮したのは「魚を怒らせない」という点。むやみにプレッシャーをかけて突っ走られたら到底止められそうにない。ロッドでいなしながらやり取りする。それには6ftの長めのロッドは役に立ちました。船底に行かれても対処しやすいのも利点です。
後は不意のハリ外れに用心。テンションが抜けてポロリ…というケースがあるので。船長からもアドバイスを受け、慎重にファイトを続けた。ラインを出されては寄せてを繰り返し、やっとのことでリーダーまで到達。
ネットインしたのは超大物!
そこでようやく水中に揺らめく白い魚体が目視できた。水面まで浮かせたそれは、これまで見たことのない大きなヒラマサだった。魚をネットに誘導しながら巻き続け、一発でネットイン成功!
最大の勝因は「運が良かった」ということに尽きるでしょう。そして、ジギングの面白さと魅力、平戸沖の恐るべきポテンシャル、船長のナビ&フォローの素晴らしさを実感しました。大マサが味わわせてくれた疲労と感動に加え、共に喜んでくれた人たちの笑顔は、一生忘れられないですね」。