【東日本編】2月が旬の海の幸5選 1年でたった30日しか獲れないカニ

【東日本編】2月が旬の海の幸5選 1年でたった30日しか獲れないカニ

日本は四方を海に囲まれた島国であり、季節や場所によってスーパーに並ぶ魚介類も様々。冬は産卵や寒さに備えて脂が乗り太った美味しいサカナがたくさんいます。今回は、なかでも2月に旬を迎える東日本のサカナを紹介します。

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目次

まだまだ寒い2月

春の陽気はまだまだ遠く、雪の降る日もある2月。

家から出ることも減るため、私たちのお腹にはたくさんの脂が乗ってしまいますが、海の幸もそれに負けじと、ますます脂がのって美味しい時期となっています。

2月の東日本ではいったいどのような食材が旬を迎えるのでしょうか。

2月の北海道の旬:『ニシン』

本州に住む人にとってはお正月以外ではあまり馴染のないサカナかと思いますが、北海道ではかなりポピュラーな魚のひとつです。

ニシンの漁獲量は北海道が約99%とそのほとんどを占めており、新鮮なニシンが食べられるは北海道だけといっても過言ではありません。

ニシンは北海道全土で漁獲されますが、2月は石狩や後志地区で水揚げされます。

1950年代後半には漁獲量が激減し、幻の魚と呼ばれることもあったニシンですが、近年では稚魚の放流などによって漁獲量も少しずつ回復し、安定して食べられるようになってきています。

【東日本編】2月が旬の海の幸5選 1年でたった30日しか獲れないカニニシン(出典:PhotoAC)

代表的な食べ方

北海道を訪れた際、絶対に食べて欲しいのが「お刺身」です。

日持ちしない魚のため、本州にいてはまず食べられないでしょう。

「春告魚」でもあり、石狩や後志地区で水揚げされるニシンは産卵木の前で脂がたっぷりと乗っています。

コリコリとした食感が口いっぱいに広がる脂の味わいは一度食べたら忘れられなくなるでしょう。

2月の東北地方の旬:『マダラ』

真鱈(マダラ)は冬の時期(1月〜2月)が旬の白身のサカナで、1月〜3月ごろが産卵期に入ります。特に2月は産卵期真っ只中の、オスの白子は大きくなり、旬を迎え非常に人気があります。

宮城県ではマダラ漁が盛んで、漁獲量は北海道に次いで第2位。本州で新鮮なマダラを食べるなら宮城県を訪れるといいでしょう。

代表的な食べ方

やはり冬のタラといえば白子。まずさっぱりと楽しむために「白子ポン酢」がオススメです。定番だからこそ間違いなく美味しくいただけます。

そして、次にオススメしたいのが「白子の天ぷら」です。衣を付けてサッと短い時間で揚げた天ぷらは、とろっとした濃厚でクリーミーな味わいと、サクッふわっとした食感が味わえます。

生で食べるものとは全く違った白子の魅力が味わえる逸品です。

マダラは寒くなるほど美味しくなると言われ、白子でけではなく、身、アラ、肝といったように、全ての部位を使えて捨てどころがなく食べることができます。

【東日本編】2月が旬の海の幸5選 1年でたった30日しか獲れないカニ白子ポン酢(出典:PhotoAC)

2月の北陸地方の旬:『ズワイガニ』

福井県で水揚げされる越前かにの解禁は毎年11月6日と決まっており、この日を境に福井県はかに一色に染まります。

中でも、『ずぼがに』と呼ばれるカニは脱皮したばかりのオスの越前かにのことを指し、みずみずしい味が特徴です。

漁期が短く2月19日から3月20日の30日間の間しか獲ることができないため、この機会にしか食べることができません。

これを逃すとまた1年待たないと食べられない、非常に貴重な食材です。

代表的な食べ方

脱皮して半年以内のため、身がパンパンには詰まっていません。そのため、脚の身がズボッと取れることから「ずぼがに」と呼ばれています。

まずは塩茹ででパクッと食べてみてください。

みずみずしい身だからこそ、カニ本来の甘味、そしてジューシーな味わいを楽しむことができます。

塩茹でを十分に楽しんだ後は、ひと手間を加えた食べ方でも楽しめます。

取り出した身にオリーブオイルとハーズソルトをかけた洋風な食べ方なんてのも、一味違って美味しいですよ。

【東日本編】2月が旬の海の幸5選 1年でたった30日しか獲れないカニズボっと取れるから「ずぼがに」(出典:PhotoAC)

2月の関東地方の旬:『ブリ』

スーパーや魚屋で、必ず目につく食用魚の「ブリ」。

冬のサカナの代名詞とも言えますが、天然モノのブリが食べられるのはだいたい2月ごろまでです。

近年では市場に出回るブリの8割は養殖モノと言われており、この期を逃すと、天然モノはなかなかお目にかけれなくなってしまいます。

自然界の冷たい荒波で揉まれ、脂が乗りながらも、程よく引き締まったブリをぜひご堪能あれ。

代表的な食べ方

濃厚な味わいを楽しみたい人はもちろん生食で「お刺身」を食べることをオススメします。

しかし、今回は脂のたっぷりと乗った寒ブリならではの食べ方として「ブリしゃぶ」をオススメします。

ブリと共に大根や水菜などを一緒にお湯にさっと通し、野菜がシャキッとしているうちに引き上げます。

この時、ブリを加熱しすぎないようにするのがポイントです。

野菜をブリで包み、ポン酢で食べれば、言葉を失うほどのおいしさが口いっぱいに広がることでしょう。山椒や柚子こしょうなどの薬味ともよく合います。

また、ポン酢だけではなく、胡麻ダレで食べるのもまた一味違った楽しみ方になるでしょう。

【東日本編】2月が旬の海の幸5選 1年でたった30日しか獲れないカニ寒ブリのブリしゃぶ(出典:PhotoAC)

2月の東海地方の旬:『サバ』

「秋鯖は嫁に食わすな!」との諺(ことわざ)もありますが、秋だけではなく、2月のサバも非常に美味です。

サバは一年中獲れる魚で決して高級魚ではありませんが、2月から3月に伊豆近海で漁獲されるサバ(寒サバ)は、脂の乗りが最高で特に美味しいとされています。

【東日本編】2月が旬の海の幸5選 1年でたった30日しか獲れないカニ脂ののった寒サバ(出典:PhotoAC)

代表的な食べ方

サバといえばアニサキスという寄生虫が身に潜んでおり、生食で食べることが難しいと言われていますが、一部のお店では、生のサバを提供していることがごく稀に存在します。

青魚特有の生臭さもクセもまったくなく、サバの濃厚なうま味と上品な脂が口いっぱいに広がることでしょう。

生のサバはなかなか出会えるものではないため、もし見かけた際はスルー厳禁です。

<近藤 俊/サカナ研究所>