1月21日、中潮。干潮午前5時32分、満潮11時43分。当日の釣り場は、新門司マリーナの外海に面したテトラだ。この釣り場、テトラの長さは約1km以上あり、どこで釣ればいいのかいつも迷ってしまうほど広い。
当日のポイントは、新門司マリーナ角に
この日のポイントは、比較的足場の良い新門司マリーナの角に決めた。
この新門司マリーナの波止のすぐ沖には、無数のカキのイカダがある。
このイカダがチヌのエサ場なのだ。
当日のまきエサは、『チヌパワー/マルキユー』に『ムギパワー/マルキユー』を混ぜ合わせ、オキアミの生8分の1角を小さく砕いて遠投できるように少し硬めに練り込む。
オキアミはみりんとオリゴ糖に漬けたものを使用する。
チヌのアタリだが、水温の低い1月では、チヌのアタリは非常に小さくて、なおかつ渋い。
ウキがスーッと海中に消えるような明確なアタリは、この時期ではまずない。
小さなアタリ、そして早アワセは禁物だ。
そのため、ひたすら食い込むまでじっと待つことが大切なのだ。
次にチヌ釣りで一番大切なのはタナ取りだ。
ウキが流れて行く時に、ハリが少しずつ海底に引っ掛かりながら、モゾモゾ流れて行くように調整することだ。
いざ実釣。
釣り場には午前7時ごろ到着。
前日にまきエサと仕掛けを作っていたので、いつもの釣座へ荷物を持って降りていく。
まず釣る前にまきエサを打って、潮の流れる方向、潮の速さ、まきエサの沈み方など、詳しく観察する。
当日の作戦はこうだ。
まずチヌの住みかとなる沈瀬を探す。
何回か流していると、必ず引っ掛かる場所があるはずだ。
チヌを釣るためには、第1に、沈瀬(テトラ)を探し、第2に、その周辺にまきエサが集まるようにまきエサを打ち、第3に、そこに仕掛けとまきエサを同調させながら流してやると、チヌが必ず食ってくる、という作戦だ。
そのためには下げ潮によって生ずる潮目が早く発生しなければならない。
もう少し具体的に説明すると、下げ潮の潮目に引かれて反転流が発生し、潮目と合流するような潮の流れにならなければ、チヌが釣れないということだ。
せっかくまきエサをしてチヌを集めたのに、ナマコ取りの漁師が底引き網を引き始めた。
これでは釣れない。
別の場所へ移動する。
ポイントを移動
次に選んだ場所は、波止の先端から100m手前で、くの字になっている場所だ。
この周辺は海底にたくさんのテトラが入っているため船がこない。
気を取り直して釣ってみたものの、まったくアタリなし。
しかし時合いが来るまで根気よくまきエサと仕掛けをA点(別図)に投入。
チヌが釣れる場所はB点周辺(沈みテトラ)の、まきエサが集まる場所で、C点は仕掛けを回収する場所だ。
2時ごろ、ウキが根掛かりの時のようにゆっくり沈んでいった。
食いを待つとさらにウキが沈んだのでアワセを入れてやる。
するとサオに乗った。
35cmのチヌだった。
再び、まきエサとつけエサをA点に投入。
潮に乗ってB点の周辺まで流れてきた時、ウキが小さく沈んだ。
条件反射で軽くアワせるとサオに乗った。
20cm前後のアラカブ(カサゴ)だった。
まさに今が時合いで1投1投、魚が釣れる。
またしてもアタリ。
サオが美しく曲がる。
当日一番の大物のようだ。
37cmのチヌ(クロダイ)であった。
しかし40cm超ではない。
40cm超は春の乗っ込みシーズンを待たねばならない。
その後、さらにチヌを1尾追加し、当日の釣果は、チヌ3尾と、アラカブ1尾の合計4尾の大漁節であった。
昼を過ぎると周辺の釣り人は帰ってしまい、私のまきエサが効いてきたのか、午後からほんの2時間で4尾も釣れたので、この日はこのへんで納竿、釣り場を清掃し、帰路についた。
なお、磯グツ、救命胴衣は必ず着用のこと。
<週刊つりニュース西部版 APC・浦野泰弘/TSURINEWS編>