12月8日は徳島県釣り連盟のグレ釣り大会が、牟岐大島と牟岐津島の磯で開催されたので参加してきた。大型のバラシもあったが、良型グレが好調にヒットし、いよいよ開幕の磯グレシーズンを肌で感じる釣行になった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・濱堀秀規)
約150人が参加の磯グレ釣り大会
当日は、釣友の三宅さん、熊村さんと3人で車を乗り合わせて、受け付け会場の牟岐漁港へ向かった。会場に5時過ぎに到着すると、そこには大勢の磯釣り師が受け付け開始時間を待っていた。
釣り連盟の役員の方にうかがうと、この日の大会参加者は150人に若干足りないようであったが、いつもながらグレシーズン突入を感じさせる熱気がムンムンしていた。
牟岐方式のクジ
牟岐大島は、区割りした磯の場所も、船中の下りる順番も、クジで決める。昔からの知恵でこうなったが、公平な決定方法で、誠にすばらしい方法である。船中のクジの結果は、私が12-8。これは12番船で8番目に磯上がりするということだ。1から10番船は牟岐大島行きで、11から13番は牟岐津島行きに割り振られていたので、私は牟岐津島の磯へ向かう弘漁丸に乗船した。
荷物を船に乗せるときに、「浜ちゃん、自分で1回に持てる荷物にしてください。わはは。」と知り合いの役員から茶々が入り、「ルールには1回でなんて書いてないですよ、荷物は自分で全部運びますから~、がはは。」と冗談で返した。
知り合いの役員は、私がエサをまく量が多いことをよく知っているので、いつも決まってこの種類の声をかけてくれる。緊張もほぐれて、まことにありがたいお声がけである。もともと緊張はしてないけどね。
そして、三宅さんも12番船で、おなじ牟岐津島方面だそうだ。熊村さんは、牟岐大島行きの船に乗って出発。
潮はゴーゴーと左へ
大島方面と開始の時間を合わすために、牟岐津島の3船は7時前まで船中で時間を調整して、3船の代表者がクジを引いた。弘漁丸は1番へ2人、挑戦へ2人、佐尾山へ2人を降ろした。「次は、サンゴの東へ2人。」とのマイク放送で、私は8番クジなのでここに降りた。
朝一番は、速い潮が佐尾山方向に流れる。少し沖にあるシモリに当たった潮も佐尾山方面に流れている。優先権のある7番の方は、潮の向かう佐尾山方面を釣り始めた。私は、「うーんこれは、佐尾山のまきエサ係になるなあ。」と考えながら、まずはサンゴ東の沖正面から釣ることにした。
それでも、足元の潮ははゆっくりだが、仕掛けを入れた少し沖はゴーゴーと流れている。「うわー本流釣りや。」と思いながら00浮力のウキで仕掛けを送り込んだ。
いきなり良型40cm
何投目かにミチイトが早く引かれていく。サオを立てると、ズッシリと重みを感じた。リールを巻くと魚の振動が伝わってくる。「よっしゃ1匹目。なんじゃグレか?」と慎重に手繰り寄せると、足元で突っ込む。立ち位置を前に出て磯際でこらえると魚が浮いてきた。タモに収まったのは、グレだ。見た目は40cmくらいある。牟岐の標準サイズよりもかなりいいサイズのようだ。
とりあえず1匹仕留めて気が楽になった。するとなぜかまきエサの飛距離も伸びる。この日の配合エサは、マルキユーのV9とグレパワー遠投と夜釣りパワーにオキアミ4枚を混ぜたもの。これをバッカン2つに分けて持ち込んでいる。
2匹目の良型に続きデカいのがヒット
おなじ釣り方で仕掛けを送り込んでいくと、今度はミチイトが潮の速さとは違う速度で勢いよく出ていった。サオを立てて魚の重さを感じる。「うー重い。手がだるい。サオがのされたらだめよ。」と自分に言い聞かせながら手繰り寄せると、またしても足元で突っ込む。そしてタモに収まったのは、先ほどより一回り立派なサイズの44cmの良型グレだ。
その後、潮がさらに速くなったので、足元の潮が少し緩い場所に仕掛けを入れると、今度はアイゴである。次は、キツ(イスズミ)。足元にはグレはいないようである。
そこでまたしても沖を狙うと、これが当たり。今度も重たい。慎重に沖のシモリをかわして足元まで手繰り寄せるまではよかった。ウキが見えて「さあこれから」というときに、足元のシモリに突っ込み、ハリスが切れた。「デカかったわ…。」とつぶやき、気を取り直して、仕掛けを作り直した。
負けがあるのもまた楽し
佐尾山の沖にわきグレが見える。そこで、3Lの特大ウキにかえてわきグレを狙った。すると、食ってきた「うーん、軽い。ベラかな?」遠くの海面からサーフィンしてきたのは、30cmくらいのグレであった。
まあこのサイズのグレでもいいから数を釣るかなと思い、仕掛けをわきグレまで遠投して、潮に乗せて待っているとミチイトが走った。今度も重い。「おーこれは絶対グレ」と思い手繰り寄せるが、沖のシモリに潜られてしまい、動かなくなり、あきらめた1匹となってしまった。
磯釣りの醍醐味は、ラインブレイクや、磯に潜られて魚の勝ちとなることがあることである。実はこれが、おもしろいのである。獲れる魚が小さな魚ばかりだと、遊びでなく労働になってしまって、おもしろくない。根に入られるかどうかのギリギリの勝負が面白いのだ。
その後もグレがチョコチョコ遊んでくれた。今日も、悔しかったり、うれしかったり気持ちを揺さぶってくれる釣行となった。まさに最高である。
他魚も楽しい
検量時に三宅さんの話を聞くと「1投目にイシダイが釣れて。もう、うれしくて、磯の上で腹をさばいて、うろこもとった。」と見せてくれた。グレ釣りの大会だが、もちろんうれしい他魚が釣れることも磯釣りの醍醐味である。
熊村さんは、グレはそこそこだが、イサギをクーラー満タンに釣っていた。三宅さんに「今日の大会はグレ釣り大会です。はああ・・・しかし、うまそうや。ええなあー。」と言われ、熊さんはニコニコとして「あかんかった」と報告し合っていた。釣れる魚を釣るのが阿波釣方でもある。
牟岐大島も牟岐津島も磯シーズン突入である。22度くらいある水温がもう少し下がって、18度くらいになると、もっと状況が上向くのが常なので、期待大である。さあ、グレと遊んでやろうと次回の計画を釣友たちと相談中である。
<濱堀秀規/TSURINEWS・WEBライター>