大阪湾の船タチウオは徐々にポイントをかえながら、数釣りの盛期に入ってきた。12月5日は大阪・泉佐野の北中通漁港から出船する大型乗合船夢丸で洲本沖のタチウオに挑戦。思うように出ないアタリを、チタントップの柔軟穂先で見事に表現させてメーター級を含むタチウオが連発。この素材の必要性を改めて実感した。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
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夢丸でテンヤタチウオ
大荒れの日が多く、思ったように出船できない日が続いていた大阪湾の船タチウオだが、小潮回りを中心に小型の数釣りに加えて良型、またはドラゴン級も交じる楽しいシーズンに入ってきた。
そこで、12月4日辺りから潮回りが良くなると予想していたタチウオ釣行にエイテックの下地圭祐さんと出かけた。ただし、4日は強風のため船止め。満を持して、5日に夢丸にて出船となった。
ポイントは洲本沖
朝5時に出船すると、まだまだ波の残る大阪湾を一気に南下し、約40分ほどで当日の釣り場となる洲本沖へ到着。ようやく夜が明けた頃で探見丸の画面を見ると、底から10mほど上にベイト反応が・・・。
スレたタチウオへの対策が必須
このところ、連続で釣行している筆者の、今季のタチウオのイメージは、「明確な突き上げのアタリが少ない」、「特に最初の前アタリが微細」、「どうもテンヤを見ているがすぐには激しく食ってこない」と言った感じで、総合するとかなりテンヤにスレてきているのでは・・・と言う事。
もちろん、人気の釣りなので、連日大勢の釣り人がテンヤでタチウオを釣るのだから、スレ気味になるのは仕方がない。その「賢くなった」タチウオの上をいかなければ釣果は伸びないのである。
『チタントップ』のロッド
その一つの例が穂先の素材進化である。現在、主にタチウオテンヤ用のロッド穂先に使われている素材は、カーボン、グラス、そして金属(チタントップ)で、ここ数年はチタントップの商品もずいぶんと増えてきた。
チタントップの特徴と言えば、「金属なので硬いのでは」と思われる人もいるかもしれないが、全く逆なのである。実は非常に柔軟な素材なのだ。小さな反応も大きく表現してくれるから目感度が良い。その上、柔軟なので特に穂先でアタリを取るような釣りに関しては、食いついた魚に穂先の硬さによる違和感を与えにくい。その点で言うと、大阪湾のスレ気味なタチウオにはかなり有効なのではないか・・・と思っている。
当日のタックル
当日使用したタックルは、竿がアルファタックル・アルファソニックタチウオテンヤ175、190M、リールはテイルウォーク・ELAN・SW・DENDO150。道糸はPEライン2号にリーダーは5号を接続。テンヤは船内統一で40号だ。
高額商品が多いチタントップ市場で、アルファタックルから今年発売したタチウオテンヤ用ロッドのアルファソニックタチウオテンヤ175(春発売)と195M(秋発売)は、ともに定価ベースで3万円中盤の手ごろな価格である。同社が絶対の自信を持って発売したという2つのチタントップロッドの実力をぜひ見たかった。
アルファソニックタチウオテンヤ175
船長によると朝のうちは潮の動きがやや鈍い時間帯で、タチウオの反応も渋いかも・・・との事。そこで下地さんがチョイスしたのは「アルファソニックタチウオテンヤ175」。下地さんによるとかなり特殊な調子に仕上げているそうで、具体的には極先調子ながら、その先の柔軟性に注目して欲しいとの事。
具体的には繊細さで知られるカワハギ竿の調子を再現し、極端な先調子となっているのは見た目にも分かる。穂先を触ってみると指で弾いただけでフワリと曲がるくらい。それでいてテンヤをぶら下げて釣りを始めると、曲がり込み過ぎない不思議な調子だ。
これは初めての人・・・と言うよりは少々マニアックな竿と見た。が、下地さんがチョンチョンとテンヤを動かすと、竿がブレる事なくテンヤにアクションを伝えている感じがよく分かる。
極小アタリも一目瞭然
そして、ピタリと止めた穂先には、スローながらも明確なアタリが出た。普通の竿ならモワッとした違和感として表現されるであろう反応が、極軟のチタントップにかかると一目瞭然なのだ。ピンク色のトップもバックの海によく映えて目立つため小さなアタリもよく見える。
小さくフワリと浮くようなアタリに、今度はちょんちょんとその場でテンヤを揺すってタチウオの食いを誘発する。テンヤを揺すったらすぐにリールのハンドルを1、2回転。すると今度は明確な突き上げのアタリがきた。そこで、大きくアワせると乗った。
指3本の小型タチウオが連発!
電動リールの巻き上げスイッチをオンにすると、時折抵抗を見せるもののかなり軽い様子。楽々浮かせてきたのは指3本ほどの小型タチウオだった。
このところ、このサイズのタチウオがかなりの群れで大阪湾へ乱入してきたようだが、今年の小型タチウオはアタリが小さく、皆がほんろうされていると聞く。その極小のアタリも柔軟なトップが表現し、次の誘いへと繋げる事ができる。
このポイントでは小型タチウオが連発し、ガンガンと掛けて数を稼ぐ。と言うよりもやはり底潮があまり動いていないので、良型、大型タチウオの活性が極端に低いのだろう。
船長は「10時頃の転潮以降に大きいタチウオが口を使い出すと思うのでそれまでは、我慢」と話すが、それでも下地さんのロッドはアタリを伝え続けている。「アタリがない=魚が食ってこない」ではなく、「アタリがない=アタリが分かっていない」のではないか・・・と思わせてくれる。そうして、あっという間に2ケタ釣果に乗せた。
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