クロダイ狙いのフカセ釣りにおいて、本命の釣果をあげるための重要なポイントの一つが、『さしエサ』の選択だ。代表的な種類と特徴および、おすすめローテーション法3選を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本 隼一)
クロダイフカセ釣りのさしエサ
フカセ釣りの人気ターゲットであるクロダイは、雑食性の魚で、貝類や甲殻類、魚類など動物性のものから、海藻類など植物性のもの、時にはスイカやみかんまであらゆるものを捕食する悪食として知られている。
この食性からもわかるようにクロダイ狙いのフカセ釣りでは様々なさしエサが使用されている。しかしそれぞれ食い込み易さや餌盗りへの強さ、海中でのアピール力などが異なってくる。
まずは、クロダイフカセで使用される代表的なさしエサとそれぞれの特徴を紹介しよう。
オキアミ
海釣りでは定番のさしエサであるオキアミ。特に、フカセ釣りでは性質の違う3つのオキアミ(生オキアミ・ハードオキアミ・ボイルオキアミ)が使用される。
生オキアミ:一般的なオキアミ。コマセ用のオキアミにも使用され、柔らかく魚の食い込みがとても良い。しかし、小魚でも食べやすく、多くの魚が好んで捕食するため餌盗りに弱い。
ハードオキアミ:加工されたオキアミ。生オキアミに比べ身を固く加工することで食い込み易さは、そのままに餌持ちや遠投性能に優れている。しかし加工されていても生オキアミ同様に、餌盗りに簡単に食べられてしまう。
ボイルオキアミ:茹でたオキアミ。オキアミをボイルする(茹でる)ことで身が締まって固くなっており、餌持ちが良い。生オキアミやハードオキアミと比べると白く、水中で目立つ。身が固くなっているので、餌取りに若干強い。
練り餌
比較的、餌盗りに強く、アングラーの好みの大きさに練って針に付ける事ができるのでクロダイ狙いでは、とても使い勝手の良いさしエサのひとつ。
最近では、赤や黄色、白、茶色など様々なカラーの練りエサが販売されており、視覚や嗅覚へのアピール力が高い
サナギ
絹糸の原材料であるカイコガの繭を茹でた際に出る中身のこと。クロダイを含む一部の魚は食べるが、ほとんどの魚は食べないので夏場の餌盗り対策などに最適。茶色の地味な色をしているので目立ちにくく、本命に自然にアプローチできる。
コーン
クロダイ狙いのフカセ釣りでは、コーンも効果的。スーパーやコンビニなどでも購入する事ができるスイートコーンの缶詰が、そのままさしエサとして使える。
クロダイを含む一部の魚しか口を使わないが、餌盗り対策には抜群の効果を発揮する。サナギとは異なり派手な黄色なので水中で目立ち、固さで餌盗りを避けつつ視覚的に本命へアピールができる。
さしエサを選ぶ基準
先述のさしエサごとの特徴を活かすには
1,本命の活性
2,餌盗りの有無や活性
3,水中でのアピール力(どれくらい目立つか)
この3つの要素が重要になってくる。
例えば「本命の活性が高いが、餌盗りの活性も高い」といった場合には、
「本命には、しっかり餌を食い込ませる」→「餌盗りに強いサナギやコーンを使用する」
といったように連想ゲームをするイメージでさしエサを選ぶと良い。