『落とし込みスライダー釣法』2時間で年無し頭にクロダイ13尾【大阪】

『落とし込みスライダー釣法』2時間で年無し頭にクロダイ13尾【大阪】

今季絶好調な状況が続く、大阪・堺の沖波止。乗っ込み期が終わり、いよいよ体力を回復してきたチヌがターゲットとなり、夏らしい落とし込みを体感してみようと、落とし込みスライダー釣法のパイオニア、中武幸司さんとセル石へと渡った。

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堤防釣り 海釣り

堺港エリアのチヌ釣り場

この日は早朝にめちゃくちゃ釣れている良型アジの入れ食いを新波止で満喫し、早朝6時の船でセル石へと移動した。

堺港エリアのチヌ釣り場はバラエティーに富んでいて、出船場となる出島から近い順に「堺鉄工」「宇部波止」「セル石」「バラ石」「新波止」がある。

セル石でスライダー釣法

ちなみに古くから「堺7-3区」と呼ばれる広大な埋め立て地の東面が宇部波止、北面がセル石、西面がバラ石と呼ばれる釣り場だ。

特徴としては宇部波止は直線上の護岸で、セル石は半円状の丸い護岸が連なり、バラ石はテトラ帯となっている。宇部波止とセル石はスライダー釣法が威力を発揮できるスリット(オーバーハング)となっている。

『落とし込みスライダー釣法』2時間で年無し頭にクロダイ13尾【大阪】丸い護岸が特徴だ

このところ、もっとも沖に位置する新波止でチヌが爆発的に釣れており、新波止を目指す落とし込み釣り師も多い。が、新波止は形状が複雑な上に、足場が非常に高く、7m級のタモの柄が必要…と、入門者には少し攻略の難しい波止である。

対してセル石、宇部波止は足場が低いので、水面に浮かべた目印も見やすく、入門者に打って付けだ。ただ、前日にセル石に入った、中武さんの釣友の話では、アタリは少なかったそうだ。それでも、「大丈夫。何とかなるから」と中武さんの自信満々の表情が不思議だった。

オーバーハングを狙う

さて、この日のタックルは「スライダー釣法の基礎編」で紹介した、3.8mザオに落とし込み用リール、ミチイト2号、ハリス1.2号、伊勢尼6~9号にイトオモリを巻いて使用した。目印は1.2mm径のパイプ目印で28cmピッチ。

セル石に降り立った6時過ぎは、かなり潮位が高い時間帯でスリットのオーバーハングになっている部分は水没して全く見えない状況。一見すると垂直護岸に見えるが…。

スライダー釣法の強み

中武さんは小指の爪ほどの小さめのイガイをチョイスして仕掛けを投入。

『落とし込みスライダー釣法』2時間で年無し頭にクロダイ13尾【大阪】イガイを選択中

波止の壁際にイガイを落としたら、目印を沖側へと並べる。この作業でイガイが目印と反対側、つまり波止の際へと向かってスライドしながら沈むことで波止際をキープできる。

そして、何よりスライダー釣法の真価を発揮できるのが、水面下1mくらいから、さらにオーバーハングになっているところ。スライダー釣法の場合、イガイが波止に向けてスライドしていくため、垂直護岸ならコツンコツンと波止にイガイが当たるように沈む。

さらにオーバーハングになっている部分も、そのへこんだ先の奥の壁に向かってスライドしていくため、通常なら締められない奥の壁沿いにエサを沈めることができる。そして、陰になる部分にいるチヌは警戒心が薄い!

効率的な探り方

このセル石や宇部波止の形状こそ、今や大阪湾での定番にして必釣釣法と言われるスライダー釣法を生み出した釣り場なのである。

セル石は半円状の丸い護岸が並ぶので、直線的な護岸とは少し攻め方が異なる。というのも、潮の流れ方によって、潮の当たり方などが大きくかわるため(以下模式図参照)、エサを落とし込んでいく場所も認識しながら…ということになる。

『落とし込みスライダー釣法』2時間で年無し頭にクロダイ13尾【大阪】セル石の形状

中武さんは、円と円が重なる奥、円の先、途中と大まかに攻めていき、まずは状況を見るという。そして、円のどの場所で反応がいいかを手早く探っていく。

『落とし込みスライダー釣法』2時間で年無し頭にクロダイ13尾【大阪】いい場所を探し移動は速い

中武さんが突然「ここはちょっと水が悪いな」とポツリ。海面を見ると泡とゴミがまじってよどんでいるように見える。潮の動きが悪いと見た中武さんが足早に西へと探る範囲を広げる。

大きく円の手前、先、向こうの3ヶ所ほどで落としたらすぐに次の円へ。特徴的なのが、3mの仕掛けいっぱいまでは、ほぼ沈めることなく浅いタナを中心に探る。

ファーストヒットはすっぽ抜け

50mほど探った先で、ツンと目印に変化が出て即アワセ。が、一瞬だけ重量感が乗っただけですっぽ抜けのようなバラシ。イガイを見ると先の方だけが割られている。「ちょっと口先で噛んだだけやな。でも、チヌが居るのですぐに釣れるよ」と中武さん。

『落とし込みスライダー釣法』2時間で年無し頭にクロダイ13尾【大阪】割られたイガイ

浅ダナで45cm級ヒット!

そして次の円部分でガツッとアワせたサオが強烈に締め込まれた。中武さんによると1mも沈まないウチにアタリが出たという。

で、円のどの辺かというと、ちょうど突端部。なかなか浮いてこず、水面まで浮いたと思ったらまた突っ込むのを繰り返す元気なチヌは45cm級の産卵後の体力回復したよく肥えた個体だった。次の円の突端では、同じようなタナで再びヒット。

52.5cm年無し頭に連発!

「やっぱり今日のチヌはやたらと元気がいいなあ」と時折、リールからイトを引きずり出される強引をかわし浮かせたのは当日最長寸の52.5cm。いきなり年無しの登場だ。

『落とし込みスライダー釣法』2時間で年無し頭にクロダイ13尾【大阪】52.5cmが登場

そこからは中武さんのドトウの釣りが始まった。

突端部以外は軽くサッと探り、円の突端部にくると、確実にツンアタリが連発する。アタリが出る部分、そしてタナがピッタリと正確に一致している。恐るべきパターン化でこの日の食い方が明確に分かるのも、落とし込みの魅力である。

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